夢健究会
「夏になるといつも肌が荒れる」と悩む方もいるのではないでしょうか。気温が高くなる夏は、強い紫外線が皮膚のバリア機能にダメージを与えたり、多量の汗が皮膚を刺激したりするため、肌トラブルに悩む方も少なくありません。
①紫外線
肌の表面には皮膚のバリア機能が備わっています。皮膚のバリア機能には、外部刺激から身体を守り、肌の水分を保つなどの役割があるのです。
ところが、紫外線を過度に浴びると、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。その結果、皮膚の水分を保持できなくなり、肌の乾燥を引き起こしてしまうのです。
肌が乾燥すると、うるおいを守ろうと皮脂が余分に分泌され、ニキビになる可能性が高くなります。また、紫外線によるダメージは、肌荒れだけではなくシミやそばかす、しわ、たるみなどの肌トラブルにつながるため、夏場は入念に紫外線対策をする必要があります。
②汗
皮膚に付着した汗は、体温調節のために蒸発していきますが、同時に肌のうるおいも奪ってしまいます。そのため肌が乾燥し、外部刺激を受けやすい状態になります。
また、汗には塩分やアンモニアなどの肌に刺激となる成分がごく少量含まれているため、蒸発後に残った成分が肌荒れを招いてしまうことも。汗をかいたままでいると肌の乾燥が進んでしまい、その結果、ニキビやかゆみといった肌トラブルへとつながりやすいのです。
③冷たい食べ物や飲み物
特に暑い日は、冷たい飲み物や食べ物がおいしく感じますよね。冷たいものは気分をスッキリさせてくれますが、摂り過ぎると体を冷やす原因となるため、注意してください。
体を冷やしてしまうと血流が滞ってしまい、必要な栄養素や酸素が行き届かなくなる可能性があります。これにより血中の酸素量や皮膚の新陳代謝が低下し、皮膚のターンオーバーが乱れてしまいます。
ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わること。約28日のサイクルで肌を健やかな状態に保ってくれます。このターンオーバーのサイクルに乱れがあると、ニキビや吹き出物などの肌荒れを引き起こしてしまうのです。
飲み物は常温やホットで飲んだり、温かいスープや料理を食べたりして、体の冷えを防ぐことが大切です。
④冷房
冷房の効いた部屋は、湿度も下がっている可能性が高いです。蒸し暑い夏は冷房の部屋が心地よく感じますが、湿度が低下しているため、皮膚のうるおいが奪われて、肌が乾燥しやすくなります。
冷房が効き過ぎている施設もあるため、しっかりの保湿と外出時には体を冷やさないようにカーディガンなどを持ち歩くのがおすすめです。
⑤間違ったスキンケア
湿気によって肌がベタベタしやすい夏の時期は、化粧水だけつけて「乳液やクリームは省く」という方もいるのではないでしょうか。しかし、化粧水や美容液などの水分だけでは、時間が経つにつれてうるおいが失われていきます。
乳液やクリームは水分が逃げないよう肌にフタをする役割も担っているため、乾燥しやすい方は夏でも使うようにしましょう。
また、洗顔の際にも注意が必要です。夏は肌のベタつきを落とそうと、洗浄力の高い洗顔料を使ったり、何度も洗顔したりしがちですが、かえって肌に必要なうるおいや皮膚のバリア機能に悪影響を与えてしまいます。
洗い方や拭き方もゴシゴシと強く肌をこするのは控えましょう。その摩擦がバリア機能を壊してしまい、肌の乾燥を招いてしまいます。洗顔後はタオルを肌に軽く押し当てるようにして、水分を吸わせましょう。
夏は特に気を付けたい!マスクによる肌荒れ
⑥マスクの中は蒸れやすい
マスクによる肌荒れの原因のひとつは、マスクの中で生じる蒸れです。長時間マスクを着用することで、マスクの中は高温多湿の状態になります。
乾燥を防ぐためには問題ないように感じますが、肌にとって良い環境とはいえません。過剰な湿気により皮膚がふやけてしまい、皮膚のバリア機能の低下を引き起こします。
また、マスクの中は通気性が悪いため、汗をかきやすい状態です。そのまま放置すると汗の成分が毛穴につまり、肌荒れにつながってしまうこともあります。
マスクのつけ外しによる「摩擦」も、肌荒れの原因になるケースがあります。近年では、マスクを着用して外出するのが一般的になりつつあります。その分つけ外しの回数も多くなるでしょう。
マスクによって皮膚の表面が蒸れ、バリア機能が低下していれば、さらに炎症は起きやすくなるでしょう。
①洗顔を正しいやり方で行う
毎日の洗顔は、肌を乾燥から守る正しいやり方で行いましょう。夏は汚れをしっかり落とそうとして、ついゴシゴシ洗ってしまいがちですが、逆に肌のうるおいを保つための皮脂を落とし過ぎてしまいます。
顔を洗う際は、洗顔料をクッションのように泡立てるのがポイントです。石けんや洗顔料をたっぷりと泡立てた後は、顔全体をやさしく包み込むように洗います。毛穴汚れが起こりやすい部分やベタつきが気になる部分は、指の腹を使って円を描くように動かすのがコツです。うるおいを残しつつ、汚れを落としていきましょう。
また、洗い残しがあると、肌の表面に残った成分が刺激となり、肌荒れが起こりやすくなります。洗顔のし過ぎは良くありませんが、きちんと洗い流しましょう。
②保湿を欠かさない
夏はこまめな保湿が重要です。化粧水で水分を補ったら必ず乳液やクリームをつけて、水分と油分のバランスを整えましょう。特に洗顔後はすぐに肌が乾燥してしまうため、素早く保湿をすることが大切です。乾燥が気になる箇所があれば、重ね塗りをすることもおすすめします。
紫外線によって肌がヒリヒリしている場合は、スキンケア用品が悪影響になる可能性があるため、気になる方は低刺激なものに変えると良いでしょう。
③普段の生活で心掛けること
紫外線対策をするのに、日焼けすることで肌は乾燥しやすくなるため、日常的に紫外線対策をすることが必要です。紫外線は季節や天候に関係なく降り注いでいます。特に夏は日差しが強いため、できれば紫外線量が多くなる時間帯の外出は控えましょう。
・長袖、長ズボン
・帽子
・日傘
などを使用するとよいでしょう。
・日常生活で使用する場合は、SPF10~20、PA++程度
・アウトドアや屋外でのレジャーは、SPF20~40、PA++~+++程度
・マリンスポーツや炎天下でのレジャーは、SPF30~50+・PA++++
日焼け止めは、汗や衣類のこすれで落ちてしまうため、朝に塗ったきりでは最大限の効果は期待できません。2~3時間ごとのこまめな塗り直しで、紫外線をカットし続けることを意識してみてください。
汗をかいたらそのままにせず、すぐに拭き取りましょう。肌に付着した汗は、蒸発する際、熱と一緒に肌の水分も一緒に奪っていくからです。雑菌の繁殖やかゆみ、肌の乾燥を引き起こさないためにも、汗が肌についた状態を長引かせないことを意識してください。
軽い運動やスポーツ時はもちろん、普段の生活でもポケットティッシュや小さめのハンドタオルを持ち歩いていると、すぐに汗を拭き取れます。
マスクは自分の肌に合ったものを選ぶ
刺激に敏感な肌の方は、肌にやさしいコットンやシルクなどがおすすめです。肌触りが柔らかく、蒸れにくいのが特徴となっています。
しかし最近では、感染予防のため不織布マスクが推奨されていますよね。職場によっては、マスクの種類を指定しているケースもあるようです。不織布マスクを使用する際は、ガーゼやコットンなどを間に挟み、皮膚に直接触れないようにするのがおすすめです。中に挟んだ素材が蒸れて湿ってきたらこまめに交換し、マスクの中を清潔な状態にキープしましょう。
紫外線対策や汗のこまめな拭き取り、正しいスキンケア、自分に合ったグッズやマスク選びなどを行い、肌を外部刺激から守ることが大切です。肌の水分と油分のバランスを整えて、暑い夏を健やかな肌で乗り越えましょう。
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