健康診断について知ろう!

健康診断について知ろう!

みなさんが毎年行っている『健康診断』や人間ドッグ
せっかく自分の身体を知れるいい機会ですので、各項目の数値がどうなのか。また、異常が現れた際はどういった病気に気を付けて行けばよいのかを、しっかりと知っていきましょう。今回は、身体測定・尿検査・血液検査・呼吸器系検査・胃部検査をまとめてみました。

検査項目

健康診断の主な検査項目

身体測定・・・身長・体重・BMI・周囲など

視力検査・・・右目・左目・色覚など

聴力検査・・・右耳・左耳

尿検査・・・尿蛋白・尿糖・尿ウロビリノーゲン・尿潜血

呼吸器系検査・・・胸部X線など

血液検査・・・赤血球数・血色質量・ヘマクリット値・血小板数・血糖値など

循環器系検査・・・血圧・心電図など

胃部検査・・・胃部ペプシノゲン・胃部Z線(バリウム)

大腸検査・・・便潜血

 

 

 

 

身体測定でわかる事

BMIの値で太っているかやせているかがわかります。

体重÷身長÷身長 で、算出します。

            要注意      基準値*      要注意

体格指数(BMI) 18.4以下(低体重) 18.5~24.9   25.0以上(肥満)

(単位 kg/㎡)

*将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

 

どんな病気がわかるの?

高血圧・糖尿病・高中性脂肪血症・高尿酸血症などが数値によって疑われる事があります。

尿検査でわかる事

主に、尿蛋白、尿糖、尿沈渣(にょうちんさ)、尿潜血、尿比重について調べます。

 

【尿蛋白】

尿中のたんぱく質の量を調べます。

血液は腎臓の中の不要物だけがろ過され、尿中に排泄されます。正常であれば血液中の蛋白は腎臓ですべて再吸収されます。

腎機能が低下すると体にとって必要な蛋白が腎臓から漏れ出てきます。

 基準値    要注意    異常

 陰性(-) (+)(±) (2+以上)

 

【尿糖】

尿中の糖分を調べる検査です。

血液中の糖濃度がある値(おおよそで160~180mg/dL)を超えると再吸収しきれなくなり尿中に糖が漏れ出てきます。

糖尿病、甲状腺機能亢進症や腎性糖尿などで陽性となります。腎臓糖尿とは血糖値が高くなくても、尿糖が陽性になる病態で問題ありません。

基準値    要注意   異常

陰性(-)  (±)    (+)

 

【尿沈渣】

尿を遠心分離器にかけてできた沈殿物を調べます。

尿中に存在する物質の凝集が尿沈渣です。さまざまな物質があり、その種類によってどのような疾患に由来する物であるかを判断します。

 

【尿潜血】

尿に血液が混じっていないかを調べます。
試験紙に浸して反応をみます。

試験紙に反応があれば、尿の通り道のどこかに出血源があります。
尿路結石、膀胱炎、糸球体腎炎などで陽性となります。女性では病気がなくても陽性になる率が高めです。

基準値   要注意    異常

陰性(-) (+)(±) (2+以上)

 

【比重】

蒸留水に対する尿の比重を調べます。尿の中には、さまざまな物質が含まれているため、普通の水に比べて比重が高くなります。この比重の変化を調べることで腎機能の異常などを発見することができます。

腎臓は体内の状況に応じて、腎臓内で水分を再吸収して体内に戻したり、逆に多く排泄させたりします。しかし、これらの働きが障害されたり、体内水分を調節するホルモンの異常により、尿比重は異常値を示します。

尿比重が高い場合は糖尿病、脱水症など、低い場合は腎不全、尿崩症など尿を濃縮する機能の低下が疑われます。

 

血液検査でわかる事

 

血液検査では、貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、高脂血症、糖尿病などの病気を主に調べています。

【肝臓系検査】

<総タンパク>

血液中の総たんぱくの量を表します。
数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、がんなど、高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われます。

 異常   要注意   基準範囲   要注意異常

6.1以下  6.2~6.4  6.5~7.9  8.0~8.38.4以上

(単位 g/dL)

<アルブミン>

血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンです。
アルブミンは肝臓で合成されます。
肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などで減少します。

基準範囲  要注意   異常

3.9以上  3.7~3.8  3.6以下

(単位 g/dL)

<AST(GOT)とALT(GPT)>

AST(GOTともいう)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。ALT(GPTともいう)は肝臓に多く存在する酵素です。
数値が高い場合は急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます。

    基準範囲   要注意   異常

AST  30以下   31~50  51以上

ALT  30以下   31~50  51以上

(単位 U/L ユニットパーリットル)

GOTのみが高い場合は心筋梗塞、筋肉疾患などが考えられます。

<γ-GTP>

γ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。

 基準範囲   要注意  異常

  50以下  51~100 101以上

 (単位 U/L ユニットパーリットル)

 

【腎臓系検査】

<クレアチニン(Cr)>

アミノ酸の一種であるクレアチンが代謝されたあとの老廃物です。筋肉量が多いほどその量も多くなるため、基準範囲に男女差があります。腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。数値が高いと、腎臓の機能が低下していることを意味します。

 基準範囲    要注意    異常

男性1.00以下 1.01-1.29  1.30以上

女性0.70以下 0.71-0.99  1.00以上

(単位 ㎎/dL)

<eGFR(イージーエフアール)>

クレアチニンより精度の高い腎臓機能の指標です。クレアチニン値を性別,年齢で補正して算出します。数値が低いと腎臓の機能が低下していることを意味します。

基準範囲   要注意    異常

60.0以上  45.0-59.9  44.9以下

(単位 mL/分/1.73㎡による)

 

【尿酸(UA)】

尿酸は、たんぱく質の一種であるプリン体という物質が代謝された後の残りかすのようなものです。
この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。
高い数値の場合は、高尿酸血症といいます。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積していき、突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。また、尿路結石も作られやすくなります。

 要注意   基準範囲   要注意   異常

 2.0以下  2.1-7.0   7.1-8.9   9.0以上

(単位 ㎎/dL)

 

【脂質系検査】

<HDLコレステロール>

善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。少ないと、動脈硬化の危険性が高くなります。

数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化が疑われます。

異常    要注意   基準範囲

29以下  30~39  40~119

(単位 ㎎/dL)  *将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

<LDLコレステロール>

悪玉コレステロールとよばれるものです。
LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。

要注意  基準範囲  要注意   異常

59以下  60~119 120~179 180以上

(単位 ㎎/dL)

<中性脂肪(TG)(トリグリセリド)>

体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
数値が高いと動脈硬化を進行させます。低いと、低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。

要注意  基準範囲   要注意    異常

29以下  30~149  150~499  500以上

(単位 ㎎/dL)

<Non-HDLコレステロール>

Non-HDLコレステロールは、すべての動脈硬化を引きおこすコレステロールを表します。
LDLコレステロールだけでなく、中性脂肪が豊富なリポ蛋白、脂質代謝異常により出現するレムナント(残り物)などを
含み、動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標です。
数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症などが疑われます。
低い場合は、栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われます。

異常   基準範囲*  要注意   異常

89以下  90~149  150~209 210以上

 (単位 ㎎/dL)  *将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

 

【糖代謝系検査】

<血糖値(FPG)>

糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身に利用されます。
測定された数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかがわかります。
数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常が疑われます。

基準範囲 要注意  異常

99以下 100-125 126以上

(単位 ㎎/dL)

<HbA1c>

HbA1C(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかります。また、空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c6.5%以上なら糖尿病と判断します。

基準範囲 要注意  異常

5.5以下 5.6-6.4 6.5以上

(単位 %)

 

【血球系検査】

<赤血球(RBC)>

赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われます。

<血色素(Hb)(ヘモグロビン)>

血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。

         異常    要注意  基準範囲    要注意  異常

男性 血色素 12.0以下  12.1-13.0 13.1-16.3  16.4-18.0 18.1以上

女性 血色素 11.0以下  11.1-12.0 12.1-14.5  14.6-16.0 16.1以上

(単位 g/dL)

<ヘマトクリット(Ht)>

血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。
数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。

<MCV・MCH・MCHC>

MCVは赤血球の体積を表します。
MCHは赤血球に含まれる血色素量を表します。
MCHC赤血球体積に対する血色素量の割合を示します。
MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。
低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。

<白血球(WBC) >

白血球は細菌などから体を守る働きをしています。
数値が高い場合は細菌感染症にかかっているか、炎症、腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。たばこを吸っている人は高値となります。
少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。

  異常  基準範囲  要注意  異常

 3.0以下 3.1~8.4  8.5~9.9 10.0以上

(単位 103/μL)

<血小板数(PLT)>

血小板は、出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。
数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓でのプーリングが考えられます。

 異常   要注意   基準範囲   要注意   異常

9.9以下 10.0~14.4 14.5~32.9 33.0~39.9 40.0以上

(単位 104/μL)

 

【感染症系検査】

<CRP>

細菌・ウィルスに感染する、がんなどにより組織の傷害がおきる、免疫反応障害などで炎症が発生したときなどに血液中に増加する急性反応物質の1つがCRPです。細菌・ウィルス感染、炎症、がんはないかを調べます。

 基準範囲  要注意   異常

 0.30以下 0.31-0.99 1.00以上

呼吸器系の検査

【胸部X線検査】

胸部にある臓器(主に肺・心臓・大動脈など)、つまり呼吸器と循環器に異常がないかを調べる検査です。胸部全体にX線を照射して撮影し、肺に異常な影があるかどうか、また心臓の形などに異常があるかどうかを調べます。

肺は、空気が多いためX線を通しやすく全体的に黒く映ります。この肺の中に白く映る影が認められれば、なんらかの異常があると考えられます。また、心臓の形や大きさの異常も写真から推測できます。

検査で異常が疑われた場合には、胸部CT検査、喀痰検査、気管支鏡検査、腫瘍マーカー検査など追加の検査が行われます。

 

どんな病気がわかるの?

肺結核や肺炎などの炎症・肺癌・肺膿傷・肺気腫・気管支拡張症・心臓拡大などがわかります。

ただ、検査の際には十分に息を吸って止めた状態で撮影していないと、横隔膜が上がり心臓拡大気味に見えたりすることもあります。

胃部検査でわかる事

【胃部X線】

胃を調べる画像診断には、「腹部単純X線検査」、「上部消化管X線造影撮影」、「上部消化管内視鏡検査」などがあります。
上部消化管X線造影撮影は、食道・胃・十二指腸の病変を調べるための検査です。

検査はバリウムと呼ばれる造影剤と胃を膨らませる発泡剤を飲んでX線を照射して撮影します。粘膜に付着したバリウムが白く映り、空気やガスは黒く映り、胃の内腔の形状がはっきりわかります。映し出された形状から、狭窄や偏位・変形、炎症、腫瘍、がんなどがないかを調べます。

どんな病気がわかるの?

食道がん 食道ヘルニア・アカラシア 食道ポリープ 胃炎、胃・十二指腸潰瘍 胃がん 胃ポリープなどがわかります。

 

【胃内視鏡】

胃内視鏡検査は、直径1cmほどの細長い管の先にレンズをつけた内視鏡(ファイバースコープ)を口から挿入し、消化管の内部を直接観察する検査です。
レンズがとらえた映像はモニターに映し出され、病変の大きさや形、色、出血の有無などを目で確認できるので、食道、胃、十二指腸の病変を調べることができます。
また医師が必要と認めた場合は、組織の一部を内視鏡の鉗子で採取して調べる検査、生検を行います。 

どんな病気がわかるの?

食道がん 食道ヘルニア・アカラシア 食道ポリープ 胃炎、胃・十二指腸潰瘍 胃がん 胃ポリープなどがわかります。

 

まとめ

このように、一つの項目でも様々な検査が行われています。

今後、健康診断や人間ドックを受けた際には、「異常なかった」「引っかからなかった」で終わらせるのではなく、

年ごとに変わっている数値にも興味を持ち、病気への対策を早めに考えていくのも良いでしょう。

ライター

夢健究会

ライター

私たち会員は
人々の尊い命に畏敬の念を抱き
神秘なる自然の摂理に抗うことなく
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研究し、助言し、援助する団体です。

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