夢健究会
「秋になると髪がよく抜ける気がする…」そんなふうに感じたことはありませんか?
シャンプー後の排水口にたまった髪の毛や、朝のブラッシングで落ちる毛の量にびっくりしてしまう女性はとても多いです。実はこれ、気のせいではなく本当に「秋は抜け毛が増える季節」なんです。でも安心してください。
これは一時的な自然現象であることが多く、必ずしも深刻な薄毛につながるわけではありません。とはいえ、そこに女性ホルモンの影響が重なると、抜け毛が長引いたり、髪質の変化を感じたりすることもあります。
今回は「秋に抜け毛が増える理由」と「女性ホルモンとの関係」、そして「今日からできるセルフケア」について、わかりやすくお伝えします。
人の髪は、成長期→退行期→休止期というサイクルを繰り返しています。1本の毛が生えてから抜けるまで、平均で3〜6年ほど。この周期のうち自然に抜ける本数は、1日あたり50〜100本くらいといわれています。
ところが秋になると、その本数が200本近くになることもあります。これが「季節性脱毛」。動物の毛が季節ごとに生え変わるように、人間の髪も秋に一時的に抜けやすくなるのです。
さらに夏の間に浴びた紫外線、汗や皮脂の増加、冷房による乾燥などが頭皮にダメージを残し、それが秋に抜け毛として表れることも原因のひとつ。「秋は髪の衣替え」といわれるのはこのためです。
ここで女性ホルモンに注目してみましょう。女性ホルモンには大きく2種類あります。
エストロゲン(卵胞ホルモン):髪や肌を健やかに保ち、女性らしい体をつくるホルモン。髪を太く、しなやかに成長させてくれます。
プロゲステロン(黄体ホルモン):妊娠や生理周期に関わるホルモン。体に水分をため込みやすく、皮脂分泌を増やす作用があります。
特に髪にとって大切なのはエストロゲン。「美のホルモン」と呼ばれるほどで、毛根を活性化し、髪の成長期を長く保つ働きがあります。つまりエストロゲンがしっかり分泌されていると、髪は抜けにくく、ツヤのある状態をキープしやすいのです。
反対にエストロゲンが減少すると、成長期が短くなり、髪が細くなったり抜けやすくなったりします。
実は秋という季節自体が、女性ホルモンに影響を与えやすい時期でもあります。
夏の疲れがどっと出て自律神経が乱れる
昼夜の寒暖差で体がストレスを感じる
生活リズムや食生活が崩れがち
こうした要因でホルモン分泌のバランスが崩れ、抜け毛が増えることがあります。さらに、年齢やライフステージによっても状況は変わります。
生理前後:プロゲステロンが優位になり、頭皮の皮脂が増えて毛穴詰まりを起こしやすい
妊娠・出産後:ホルモンの急激な変動で一時的に抜け毛が増える
更年期:エストロゲンの分泌量が減少し、髪のコシやボリュームが失われやすい秋の抜け毛+ホルモンの揺らぎ」が重なると、抜け毛が気になりやすいのです。
抜け毛が気になったら、次のようなポイントをチェックしてみましょう
①抜け毛が2〜3か月以上続いている
②髪の分け目が以前より広がって見える
③一本一本の髪が細くなった気がする
④生理不順や更年期のサインも出ている
⑤睡眠不足やストレス、食生活の乱れがある
これらがいくつも当てはまる場合、季節的なものだけでなく、ホルモンや生活習慣の影響が関わっている可能性があります。
1. 栄養バランスを整える
髪は主にタンパク質でできています。肉や魚、大豆製品をしっかりとりましょう。鉄分、亜鉛、ビタミンB群も髪の成長には欠かせません。大豆イソフラボンは体の中でエストロゲンに似た働きをするので、納豆や豆乳などを日常的に取り入れるのがおすすめです。
2. 良質な睡眠をとる
髪の成長を助ける成長ホルモンは、睡眠中に分泌されます。特に22時〜2時はゴールデンタイム。できるだけこの時間に眠っているように心がけましょう。
3. 適度に体を動かす
ウォーキングや軽いストレッチは、頭皮の血行を良くし、髪の栄養供給をサポートしてくれます。運動はストレス解消にも役立つので一石二鳥です。
4. ストレスをためこまない
ストレスはホルモンバランスを大きく乱す要因。深呼吸、アロマ、趣味の時間など、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
生活習慣に加えて、髪と頭皮の外側からのケアも大切です。
シャンプーはやさしく:指の腹でマッサージするように洗い、爪を立てたりゴシゴシこすったりしない
頭皮マッサージ:血行を良くして毛根を元気にする
紫外線ケア:秋でも紫外線は強い日があります。帽子や日傘で頭皮を守りましょう
頭皮の保湿:乾燥しやすい季節なので、頭皮用ローションやオイルで潤いを補給
ほとんどの秋の抜け毛は自然に落ち着きますが、もしこんなサインがあれば専門医に相談しましょう。
①抜け毛が3か月以上続いている
②頭皮にかゆみや炎症がある
③明らかに分け目や生え際が薄くなってきた
婦人科や皮膚科、女性向けの薄毛外来などで、ホルモン検査や適切な治療を受けることができます。
秋に抜け毛が増えるのは自然なこと。でもそこに女性ホルモンの影響や生活習慣の乱れが重なると、髪の悩みが長引いてしまうことがあります。
大切なのは「秋だから仕方ない」と放っておかずに、食事・睡眠・運動・ストレスケアといった基本的な生活習慣を整え、頭皮や髪をいたわること。もし気になる症状が長引くようなら、専門医のサポートを受けることも選択肢に入れましょう。
秋は実りの季節。髪にとっても「次の成長期に向けた準備期間」です。女性ホルモンと上手に付き合いながら、健やかな髪を育んでいきましょう!
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