夢健究会
普段何気なく呼吸するために機能してくれている『鼻』は春にはスギなどの花粉による花粉症になり、鼻水が止まらなくなる季節で、冬は寒さによって鼻水が出やすくなったり、風邪を引きやすい季節になります。鼻は基本無意識のうちに呼吸をしてくれていますが、これが鼻づまりを起こしたりして、上手く機能しなくなると中々しんどいんですよね。
様々な影響を受けて鼻も病気の症状が出てきます。今日は『副鼻腔炎」についてお伝えしていきます。
鼻には様々な重要な役割があります。具体的には次のようなものです。
【呼吸】鼻は呼吸器系の一部として、空気を体内に取り込み、肺に送り込む役割を果たしています。空気が鼻を通ることで温度と湿度に調整されるので、肺に適した状態となりスムーズに循環されています。口から入る空気よりも感染症に罹るリスクが少ないと言われています。
【嗅覚】鼻には嗅覚受容体があり、これによって匂いを感じ取ることができます。匂いは食べ物の味を感じる助けにもなりますし、危険を察知するためにもとても機能を担っています。
【防御機能】粘膜や鼻毛は、空気を吸い込んだ際に空気中の塵や細菌を捕捉し、体内に侵入するのを防いでくれています。また、くしゃみを通じて異物を排出する働きもしています。
【発声】鼻腔は音の共鳴を助け、発声時の声の質に影響を与えています。特に鼻音(「ん」や「な」など)を出す際に重要です。鼻をつまみながら声を出すといつもと違う声になったり、風邪などで鼻がつまるといわゆる鼻声になります。
鼻はこれらの役割を果たすことで、私たちの健康と日常生活に欠かせない器官となっているのです。鼻の役割は、【呼吸】【嗅覚】【防御機能】【発声】です。
副鼻腔炎は、副鼻腔(鼻の周りにある空洞)が炎症を起こす病気です。炎症により、鼻づまり、顔の痛みや圧迫感、頭痛、鼻水、異臭などの症状が現れます。副鼻腔炎は、急性と慢性の2つのタイプに分けられます。
~急性副鼻腔炎~
【原因】風邪やアレルギーがきっかけで発生することが多く、ストレスも原因の一つです。
【症状】鼻づまり、黄色や緑色の鼻水、顔の痛みや圧迫感、頭痛、発熱、異臭など。
【治療】多くの場合、風邪と同じように自然に治りますが、必要に応じて抗生物質や鼻洗浄、抗ヒスタミン薬などが処方されることがあります。
~慢性副鼻腔炎~
【原因】3か月以上続く副鼻腔炎で、慢性的な炎症や感染が原因となります。アレルギーや鼻の構造的な問題(例えば、鼻中隔の湾曲や鼻腔の狭窄ばど)も原因となることがあります。
【症状】急性副鼻腔炎と似ていますが、症状が長期間にわたり持続する点が異なります。鼻づまりや顔の痛みが慢性的に続き、嗅覚の低下も見られることがあります。
【治療】抗生物質、ステロイドスプレー、鼻洗浄などが一般的ですが、重症の場合は手術が必要になることもあります。
副鼻腔炎の予防には、まず風邪を予防すること、アレルギーの管理、適切な湿度を保つことが効果的です。
副鼻腔炎の多くは薬と処置で改善しますが、長期化したり、反復する場合手術を行います。前総理大臣の岸田文雄さんも慢性副鼻腔炎の手術をされたことは報道されていました。副鼻腔炎は日帰り手術などもあります。
【機能的内視鏡副鼻腔手術(FESS)】
内視鏡を使用して、副鼻腔の炎症や感染の原因となる部分を除去します。最も一般的な副鼻腔炎の手術です。(慢性副鼻腔炎やポリープがある場合)手術時間は通常1~2時間程度。手術後数日間の安静が必要ですが、比較的短期間で日常生活に戻れます。
【拡張副鼻腔風船術】
狭くなった副鼻腔の開口部を風船カテーテルで広げる手術です。切開が不要なため、侵襲が少なく、回復が早いのが特徴です。(軽度から中等度の慢性副鼻腔炎。)手術時間は通常1時間以内で手術後の回復が早く、数日以内に日常生活に戻れることが多いです。
【上顎洞根治手術】
上顎洞に直接アクセスして炎症や感染を取り除く手術です。主に重度の上顎洞炎に対して行われます。(重度の上顎洞炎や腫瘍がある場合。)手術時間は症例によりますが、通常1~2時間程度。他の手術に比べて回復には数週間かかることがあります。
【手術後のケア】
手術後は一定期間の安静が必要です。生理食塩水を用いた鼻洗浄を行うことで、鼻腔を清潔に保ちます。薬は抗生物質やステロイドなど、医師から処方された薬を適切に服用します。手術後は定期的に医師の診察を受け、経過を確認します。
【注意点】
手術にはリスクが伴いますが、内視鏡手術は比較的安全であり、リスクは低いです。具体的なリスクについては医師と十分に相談することが重要です。
喫煙を控え、アレルゲンを避けるなど、生活習慣を改善することで再発を防ぐことができます。
手術の適応や詳細については、専門の耳鼻科医と相談することが重要です。
副鼻腔は、鼻の周りに位置する空洞のことです。前頭骨、上顎骨、蝶形骨、篩骨(しこつ)の中にあります。具体的には、以下の4つの副鼻腔があります。
【前頭洞(ぜんとうどう)】眉毛の上に位置する副鼻腔。
【上顎洞(じょうがくどう)】頬骨の下に位置する副鼻腔。
【蝶形洞(ちょうけいどう)】眼の奥に位置する副鼻腔。
【篩骨洞(しこつどう)】鼻の両側、目の間に位置する副鼻腔。
これらの副鼻腔は、呼吸時に吸い込んだ空気を温め、湿らせる役割を果たしています。また、声の共鳴にも関与し、頭の重さを軽減するという機能も持っています。副鼻腔が健康であることは、呼吸や嗅覚、そして全体的な健康状態にとって非常に重要です。
副鼻腔の健康状態を良くするには?
1. 適切な湿度を保つ
室内の湿度を適切に保つために加湿器を使用することは非常に有効です。特に乾燥する冬場に有効です。冷暖房を使用する際も加湿器は効果的です。生理食塩水での鼻洗浄は、鼻腔を清潔に保ち、乾燥を防ぐのに役立ちます。
2. 風邪や感染症の予防
手洗いは感染症を予防する基本的な方法です。オールシーズンを通じて徹底して行いましょう。風邪の予防には、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動が重要です。年齢とともに食事、運動のバランスが悪くなりがちですので、気をつけましょう。
3. アレルギーの管理
自宅の掃除をこまめに行い、ホコリやペットの毛などのアレルゲンを除去しましょう。医師の指導のもと、抗アレルギー薬を使用することも有効です。
4. 喫煙を避ける
喫煙は鼻の粘膜に悪影響を与えるため、禁煙が副鼻腔の健康維持には非常に重要です。
5. 定期的なチェック
定期的に耳鼻科でチェックを受けることで、副鼻腔の健康を維持できます。副鼻腔に関わらず、定期検診は健康を保つために大切です。
これらの方法を実践することで、副鼻腔の健康を保つことができます。
鼻の違和感はとても生活していてとても不快ですよね。できることなら副鼻腔炎などとは無縁であれば嬉しいのですが、その時の体の状態、精神状態によって異なってきます。日頃から原因となる事は避け、いい健康状態を維持していきましょう。
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