低血圧についてのお話

低血圧についてのお話

みなさまこんにちは。
今回は低血圧について。高血圧と比べると、低血圧には国際的な診断基準がありません。
明確な基準がないうえ、人によって症状にも違いがあるので、低血圧についてはあまりよく知られていないのが現状です。受診する機会も少なく、一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな低血圧について解説していきたいと思います。

低血圧とは

 やる気はあるのに身体がだるい、疲れてすぐ横になりたくなる…

 そんな症状が続く場合は、低血圧のせいかもしれません。

 高血圧の危険性については、テレビや週刊誌などでもたびたび取り上げられていますが、低血圧はあまり重視されていない面があります。

 血圧が低すぎると、全身に十分な血液が供給されません。

 その結果、細胞が十分な酸素や栄養を受け取れず、老廃物が十分に取り除かれなくなります。そのため、影響を受けた細胞や臓器は正常に機能しなくなります。血圧が極めて低くなると、ショック状態になり血流不足により臓器が損傷を受けるため、生命が脅かされる場合もあります。

 

低血圧の症状

 低血圧の症状は、全身のだるさ(倦怠感)、めまい、頭痛、肩こり、耳鳴り、不眠、胃もたれ、吐き気、発汗、動悸(心臓の拍動が自覚されること)、不整脈など多岐にわたります。

 血圧が下がり過ぎた場合、最初に機能不全を示す臓器は通常、脳になります。

 脳が最初に機能不全を示す理由は、体の最も高い位置にあり、脳に血液を供給するには重力に逆らわなければならないからです。

 その結果、低血圧の人のほとんどがめまいやふらつきを感じ、特に立っているときに症状が現れやすく、失神することもあります。

 失神して床に倒れると、脳と心臓が同じ高さにくるため血液が重力に逆らわずに脳に流れることで、脳への血流量が増えて脳の損傷が未然に防がれます。

 しかし、血圧があまりに低くなると、脳の損傷を防ぎきれなくなります。

 また、転倒により頭部やその他の部位に重篤な外傷が生じることもあります。

 低血圧ではたまに、心筋に血液が十分に供給されないことによる息切れや胸痛(狭心症)が起こります。

 血圧が極めて低い状態のまま元に戻らないと、すべての臓器が機能不全に陥ります。

 例えば、身体が低下した血圧を上昇させようとすると細動脈が収縮し皮膚や手足への血流が少なくなるため、これらの部分は冷たくなり、青ざめていきます。

 心臓が速く強く拍動すると、動悸がみられるようになります。

低血圧の種類

 一口に「低血圧」と言っても原因などによって性質が異なり、一般的には以下の4つに分類されます。

1.本態性低血圧(一次性低血圧)

本態性低血圧は一次性低血圧ともいい、原因となる特別な病気がないにもかかわらず血圧が慢性的に低い場合のことを指します。

低血圧の多くはこの本態性低血圧で、遺伝によるケースが一般的です。

本態性低血圧の場合、特に自覚症状がない場合には病気とはいえません。

2.症候性低血圧(二次性低血圧)

症候性低血圧は二次性低血圧ともいい、体質的なものとは別に何らかの原因で血圧が下がっている状態のことをいいます。

心臓病や内分泌の異常、末期のガンといった病気や、胃腸疾患による栄養不良、けがによる大出血、降圧剤や抗精神薬などの薬の作用などによって起こります。

3.起立性低血圧

起立性低血圧とは、急に立ち上がったときや体を動かしたときに急激に血圧が下がる状態のことです。

起立性低血圧は自律神経による血圧の調節がうまくいかず、下半身のたまった血液が心臓に戻りにくくなることで起こります。

立ち上がる際、めまいや立ちくらみなどを起こしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは多くの場合、起立性低血圧によるものです。

ただし頻繁に起こる場合、何らかの病気が隠れている場合もあるため、精密検査を受けた方がいいでしょう。

4.食事性低血圧(食後低血圧)

食事性低血圧または食後低血圧は食後に生じる一時的な低血圧です。

血流が胃に集中し、血液が心臓に戻りにくくなることで発生します。

食後に倦怠感が生じたり、立ちくらみや失神を起こしたり、胃もたれや吐き気、眠気が起こったりといった症状が特徴です。

もしそのような状態になってしまった場合、ゆっくりと姿勢を変えるように注意しましょう。

低血圧の改善

‐食事-

低血圧の人は、食欲不振などから食事をきちんと取らないことが多く、栄養バランスが悪くなりがちです。1回ごとの量は多くなくてもいいので、3食きちんと食べるように心がけましょう。

特にたんぱく質(肉類、魚類、納豆などの大豆食品)をしっかり摂取すること。

また、不足しがちなミネラルを補うために、野菜や海藻類を積極的に摂ることも大切です。高血圧の場合には塩分が制限されますが、低血圧では反対に塩分をきちんと摂る必要があります(ただし、必要以上に摂る必要はありません)。

一般的に、低血圧の人は疲れやすいので、塩分とクエン酸(疲労回復に効果的)の多い梅干しを食事と一緒に摂るのもいい方法です。

水分不足になると血液量の減少につながるため、水分を多めに摂取しましょう。

1日あたり1L~2Lが目安になります。ただし、脚などにむくみが出る場合は量を減らしてください。

食後に血圧が下がりやすい方は、食後にカフェインを摂るのもお勧めです。

カフェインには交感神経を刺激し血液の循環を良くするはたらきがあります。

‐運動-

一般的に低血圧の人は、脚や手などの末端部の血管の収縮力が弱く、血管の循環が悪くなりやすい傾向にあります。つまり、末端部の血管が心臓にうまく戻らないのです。それがむくみの原因にもなります。

脚の場合、血管の循環に大きな役割を果たしているのは、ふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋肉を鍛えるには、ウォーキングや階段の上り下りが有効とされています。ウォーキングは、頭痛や肩こりがあるときの気分転換としてもお勧めです。ただし、頑張って早歩きをすると動悸や息切れを起こしやすい人もいます。そのような症状が出たら無理をせず、散歩のつもりでゆっくり歩きましょう。

なかなか時間が取れない人なら、自宅での階段昇降もいい方法です。

階段といっても、急な階段を上り下りするのは危険なので玄関の階段など1段だけを利用します。

転倒しないように壁などに手を添えて、1段を上り、後ろ向きに下ります。

年齢にもよりますが、50回~100回を目安にゆっくり取り組みます(時々上るときの脚を左右入れ替えるようにしてください)。ふくらはぎの筋肉が付くことで自然に脚の血液循環が改善され、むくみの解消にもつながります。

まとめ

 今回は低血圧の症状や改善方法について解説しました。

 低血圧は高血圧と違い基準もなく、あまり知られていないのが現状です。

 低血圧も高血圧と同様に放置すると危険です。

 食事や無理のない運動などをして改善に取り組んでみてください。

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