夢健究会
皆さんこんにちは。
突然ですが日本人の死亡原因(感染症を除く)を皆さんはご存じですか??
第5位 高い食塩摂取
第4位 高血糖
第3位 低い身体活動(運動不足)
第2位 高血圧
第1位 喫煙
上記のような事が原因で色々な病気を発症し、死に繋がっています。
この順位を見て頂いても分かるように5位の高い食塩摂取や3位の低い身体活動(運動不足)、
1位の喫煙、すべて2位の高血圧の原因になるもので高血圧が如何に死に直結する病気かという事が分かります。
そこで今回は血圧、特にサイレントキラーとも言われている高血圧についてお話したいと思います。
血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。
血圧の数値は、心臓が血液を押し出す力と血管の拡張で決まります。
血圧には血管の弾力性も関係していますし、腎臓や神経系、内分泌系、血管内皮からの物質など、多くの因子によって調整されています。
血圧は常に変動し、通常は朝の目覚めとともに上昇し、日中は高く、夜間・睡眠中は低くなります。
また、冬は夏より高くなります。
高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態のことを指します。
高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いですが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症原因となるので実は重大な状態であると言えます。
生活習慣病のひとつとされ、厚生労働省(2013年度)は男女共に最も通院者率が高い疾患として公表しています(2位は男性が糖尿病、女性が腰痛)。
日本高血圧学会によると、日本には4000万人の高血圧の人がいると推定されていて、肥満、脂質異常症、糖尿病との合併は死の四重奏とも呼ばれています。
高血圧の基準を日本高血圧学会では下記のように定めています。
成人における血圧値の分類(mmHg) |
分類 | 収縮期血圧(上) | 拡張期血圧(下) |
正常血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常高値血圧 | 120から129 | 80未満 |
高値血圧 | 130から139 | 80から89 |
I度(軽症)高血圧 | 140から159 | 90から99 |
II度(中等症)高血圧 | 160から179 | 100から109 |
III度(重症)高血圧 | 180以上 | 110以上 |
収縮期高血圧 | 140以上 | 90未満 |
ですが、一般的に自宅で計る時は、上が135mmHg未満、下が85mmHg未満。
病院などで計る時は、上が140mmHg未満、下が90mmHg未満なら正常値の範囲内と言われています。
高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いですが、脳の疾患や心疾患、腎不全や目の疾患などの発症原因となるので実は重大な状態であると言えます。
高血圧合併症とも言われる病気について知っておきましょう。
・脳血管障害 脳卒中
高血圧が続くと血液の圧力の影響で血管がもろく破れやすくなります。
動脈が硬く狭くなる動脈硬化も起きやすくなり、その結果、脳に酸素や栄養が十分に供給されず、脳に障害が出ることがあります。
このような状態のことを総称して脳血管障害と言い、それによって引き起こされる疾患のことを脳卒中と呼びます。
脳卒中には脳の血管が詰まって血液が流れなくなる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血などがあります。
・心疾患
心臓の機能に障害が起こる心疾患の中でも高血圧によって引き起こされるものは、高血圧性心疾患と呼ばれます。
長期間の高血圧でまず起こりやすいのは、心臓の左心室などに負荷がかかることで心臓の壁が厚くなる心肥大です。
また、心筋に血液を送る役割の冠動脈の血管が詰まる冠動脈心疾患もよく見られます。
さらにこの2つの疾患が原因となり、不整脈、心不全、狭心症、心筋梗塞などの発症リスクが高まります。
・腎不全
高血圧が慢性化すると腎臓の濾過機能が低下し、腎障害を合併しやすくなります。
同時に腎障害が強いほど血圧は高くなり、この2つは互いに悪循環を起こすようになります。
腎臓の濾過機能が不具合を起こし、排泄する機能が30%以下に低下した状態になると、腎不全と呼ばれます。
腎臓の機能は一度失われると回復することが難しく、慢性腎不全に移行する可能性が高くなります。
・高血圧性網膜症
高血圧の人が眼底検査を受けると、網膜の出血、白い斑点、むくみなどが見られることがあります。
これが高血圧性網膜症です。
自覚症状はほとんどなく、検査を受けて初めて分かるということが多いのが特徴です。
放置すると血管が破れて出血が目の硝子体に広がり、網膜剥離が引き起こされることもあります。
そのことで極端に視力が落ちるケースも生じます。
この高血圧性網膜症は、高血圧によって体内で血管にどのような変化が起きているかを知るための指標ともなります。
1,減塩
減塩は確実に血圧を下げるというエビデンスが出ています。
実際にわれわれ日本人が摂取している食塩の量は1日平均12gと言われていますが、厚生労働省が推奨している食塩摂取量は1日平均6g以下としています。
しかし減塩食を食べたことがある方は分かると思いますがかなり味気ないですよね(´;ω;`)
やはり続かないと意味がないので塩分を減らす変わりに何かを足す事をお勧めします。
例えば胡椒や唐辛子、サラダにはエキストラバージンオリーブオイルとお酢をかけて胡椒を振る。
意外とおいしいのでやってみて下さい。
また、昆布や煮干しと言った出汁を利かせる方法はビタミンやミネラルも摂取出来ますのですごく良いと思います。
2,減量
血圧を下げる、と言うか正常値を維持するには正常体重の維持というのがすごく大事になります。
正常体重とはBMIが18.5~24.5を意味します。
BMIの計算式
・BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
・適正体重 = (身長m)2 ×22
・BMI数値の見方
※BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準は国により異なります。
・成人の値
日本肥満学会の判定基準 |
BMI値 |
判定 |
18.5未満 | 低体重(やせ型) |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
BMIが25以上あるとそれ以下の方より1.5~2倍くらい高血圧になるリスクが高いと言われています。
例えば体重を1㎏減らす毎に約0.5~2mmHg、上の血圧(収縮血圧)が下がると言われています。
5㎏体重を減らすと2.5~10mmHg、上の血圧(収縮血圧)が下がる事になります。
ちなみに高血圧の人で上の血圧が10mmHg下がると脳卒中の発症リスクが27%、狭心症や心筋梗塞による死亡率が17%減るという事が分かっています。
決して軽視できない数値ですね。
3,DASH食
DASH食とは、Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語の事でアメリカで調査・研究され、高血圧の改善が認められた食事療法の事です。
簡単にお伝えすると果物や野菜、ナッツを中心に飽和脂肪酸または総脂肪を減らした低脂肪食を食事の中に取り入れると言った考え方の事で、これにさらに食物繊維を加える事も推奨されています。
果物や野菜がなぜ良いかと言いますとカリウムを摂取出来るからです。
カリウムを摂る事で血圧を上げる要因でもあるナトリウムを外に出してくれます。
またナッツや海藻類にはマグネシウムが含まれていて、マグネシウムを摂取している人のデータにはマグネシウムの摂取量に比例して血圧が下がっている事が分かっています。
4,運動
有酸素運動を毎日30分、または週150分行う事で上の血圧(収縮血圧)が4~9mmHg下がるというデータがあります。
運動と聞くと「ウエアーやシューズを買わなくちゃ!」とか「ジムに通わなきゃ!」とか「続くかしら??」と言った声が聞こえてきそうですが、家や庭の掃除、初めは5分程度歩くなど、ごくごく簡単な事で大丈夫です。
とにかく続かないと意味がありませんので続けられることを続けられる範囲で継続しましょう。
5,アルコールを減らす、もしくは控える
例えば1日にビールなら中瓶1本、日本酒1合、ウイスキー・ブランデーはダブル(60㎖)で1杯、ワインだと2杯弱が目安とされています。※女性はこの半分くらいが目安です。
また、アルコールを飲む時に塩分が多いおつまみを食べてしまいがちですよね(-_-;)
これがまた血圧をあげてしまう原因になります。
実は日本人の上の血圧(収縮血圧)の数値が平均4mmHg下がると脳卒中で亡くなる方が年間1万人、狭心症や心筋梗塞で亡くなる方は年間5,000人減るとも言われています。
このように、高血圧はさまざまな病気を引き起こす要因となります。
まず自分の血圧についてしっかりと把握すること、そして血圧を下げる生活習慣を心がけることがリスク回避の近道と言えるでしょう。
特に中高年に差し掛かり、高血圧の家族歴がある人は十分に注意するようにしましょう。
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