夢健究会
しばらく時間が経ってしまいましたが、文山研修旅行記 後編を書かせて頂きます。
前編では三七人参畑での収穫体験まで触れさせて頂きましたが、後編では三日目の三七人参市場、実際に三七人参を処方に使う中医院、三七人参の研究所、四日目の三七人参洗浄工場と生薬マーケットのところまで筆を取らせて頂きます。
はじめに、畑で収穫された三七人参が運び込まれる三七人参市場に足を運びます。
当日は雨で地面がぬかるんでおり、一同傘をさしての入場。
まず、山のように積まれた三七人参が目に飛び込んできます。
その三七人参は一等級クラスの三七から500円玉くらいの小さな三七など大小さまざま。中国国内では比較的小さめの三七人参がメインに使われているようなので、この小さめの三七人参が非常に多く売りに出されていました。
三七人参は、下は根っこ、上は葉まで全ての部位に特徴があり、医薬品や漢方薬、サプリメントやお茶として人々に役立たれます。
また、ここでは三七人参の葉の加工工程を見学することが出来ました。
特殊な機械で葉に熱を加えながら揉んだのち、細かく切り刻むことで三七人参の葉を使ったお茶の原料へと変わっていきます。どうやらお茶で有名な雲南省文山では三七人参の葉のお茶もポピュラーのようです。
嬉しいことに、熱を加えられた三七人参の葉をかじらせて頂くことが出来ました。味としてはかなり苦めでしたが奥底にほのかに感じられる甘さもあり、まさに良薬口に苦し。
ここでも貴重な体験ができ、一同大満足の様子で次なる場所へ移動します。
次は雲南省の東寄りに位置する中医院へ。
こちらでは三七人参を処方で使っています。中国では三七人参は医薬品として使われているので、様々な分野でその効果を発揮しています。
訪問するのは二年振りですが、前回と違って今回は実際に現場で三七人参を処方する医者の方とディスカッションすることができ、改めて三七人参が幅広く使用されていることを再確認出来ました。
また、初参加の先生方は実際に医療現場で三七人参が使われているということに興味津々。様々な質問が飛び交っていました。医療現場では婦人系の疾患や血管系の疾患に使われているようです(あくまで中国国内の話です)。
慣れない言葉やニュアンスに四苦八苦の通訳さん、お疲れ様でした。
三日目の最後は、三七人参研究所へ。
先程も触れましたが、三七人参は日本では健康食品の扱いですが、中国では医薬品として知られているのでこのような三七人参に特化した研究所がございます。
三七人参の歴史や大きさによる効果の違い、含有成分の細かな分析など三七人参にまつわる様々なお話をお聞きすることが出来ました。
研究所長のお話では、雲南省では三七人参が食卓に当たり前のように並んでおり、ひげ根や三七人参の粉末はスープに使われているとのことです。雲南省の人々は中国全土と比べ、血管系統の疾患率や脳疾患の比率が格段に少ないらしく、こうした背景には常日頃から三七人参を摂取していることが関係しているのではないかと思います。
いよいよ四日目となり、文山研修旅行も佳境を迎えました。
さて、まず一同初めに向かうのは三七人参の洗浄工場です。
この洗浄過程を組み込むことで、三七人参は中国国内や日本へと安心安全に運び込まれます。
また、三七人参の洗浄には様々な種類があり工夫されております。洗浄へのこだわりも三七人参を安全にお飲みいただく為に必要不可欠なのです。
この文山研修旅行の締めは生薬マーケット訪問です。
広さはわかりやすく例えると、日本の三階建てショッピングモールくらいです。
ショッピングモールは洋服や雑貨屋など様々な種類のお店がありますが、ここには生薬ばかりが並んでいます。それだけ、雲南省では生薬が身近な存在なのです。
一同自由行動で様々な店舗に足を運びますが、とにかく山のような三七人参の数に圧倒されます。この文山旅行記ではたびたび中国での三七人参の身近さに触れていきましたが、訪れる店舗すべてに三七人参が積み上げられているこの状況はまさに圧巻の一言です。
ここでは珍しい生薬や商品をお土産として買っていかれる先生方が多く、皆様そのラインナップに驚き、楽しんでおられました。
客層としては家族連れなど一般客と見られる方が多く、子供から大人まで様々でした。こういったマーケットなどで三七人参を買い、食卓まで運ばれているのでしょう。
この生薬マーケットを最後に、毎晩恒例の懇親会へ。
最終日は三七人参の根を使ったお酒を楽しむことが出来ました。まさに健康酒といった味でございました。
最終日の懇親会も無事終え、一同翌日の便で日本への帰路につきます。
皆様、大変お疲れ様でした。
全二回に渡った文山研修旅行記、いかがだったでしょうか。
普段お店で扱う先生方はもちろんのこと、消費者の方にも楽しんで頂けたらと思い、この記事を書かせて頂きました。
全世界で新型コロナウィルスが蔓延している今、気軽に足を運べませんが再びこの地に足を踏み入れる日が来ることを心から願っております。
お読み頂き有難う御座いました。
SEARCH
CATEGORY
GROUP
よく読まれている記事
KEYWORD