夢健究会
皆さんこんにちわ。
暑い季節がやってきましたね。
海水浴、プールなど、この時期になると水着を着たり、薄着になったりと肌を露出する機会が増えてきます。
そこで気になるのが「首イボ」。皆さんご存じでしょうか?
若いころにはなかった首周りに突然無数にできた!という方も少なくないはずです。
今回はそんな「首イボ」についての知識を身に付けましょう。
首にできるイボには、大きくわけて3つの種類があります。
1つ目はスキンタッグ・軟性線維腫(アクロコルドン)と呼ばれるイボ、2つ目は脂漏性角化症(老人性イボ)、3つ目はウイルス性のイボ(尋常性疣贅)です。
首にできるイボの約80%のイボがスキンタッグ・軟性線維腫(アクロコルドン)と呼ばれる良性の皮膚腫瘍、残り10%のイボが脂漏性角化症(老人性イボ)という加齢とともに現れるこちらも良性の皮膚腫瘍、約2%の患者様でみられるイボがウイルス性のイボ(尋常性疣贅)です。
■ アクロコルドン
肌色~茶色の円形のぽつぽつ。大きさは1~2㎜ほどのものです。首を触るとぽつぽつと触れますが、指ではつまむことができないタイプ
首元にこんな症状を感じたら!アクロコルドンかもしれません。
■ スキンダック
肌色~茶色のやや飛び出た突起です。大きさは1~4㎜程ありますが、皮膚とくっついている部分は1㎜程の場合が多く、指でつまんで引っ張れそうなタイプとなります。
首元にこんな症状を感じたら!スキンタッグかもしれません。
■ 脂漏性角化症(老人性イボ)
アクロコルドンなどと同様、老人性イボも「体質的にできやすい+刺激」でできることが多いイボの種類となります。顔や体にイボができるのもこのタイプの方です。
■ ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)
手の指や、足の裏などにできやすいイボですが、首にも稀にみられます。
ウイルス性のイボの原因は、パピローマウィルス11型の感染でできます。
ウイルス性のイボなので、元々指先にウィルス性があった場合やウイルス性のイボがある人と接触したときに、首や顔の皮膚に小さな傷が生じたところにうつる可能性があります。
・20代、30代のころ海でたくさん日焼けをし、30代になった頃から首にイボがポツポツとでき始めた。
・妊娠、出産をしたら急に首にイボができ始めた
・年齢を重ねたら自然と出てきた
・数個でき、気になって触るようになったらどんどん数が増えてきた
※ こちらは、首イボが出始めた患者さんのアンケートです。
■ 原因
---紫外線---
衣服に隠れにくい場所の首元は、体の中でも紫外線に晒されやすい部位です。
紫外線は肌にメラニン色素を沈着させやすく、バリア機能を低下させて乾燥肌や角質を厚くする症状などを引き起こします。
まるで肌が老化したような状態になり、摩擦などの刺激も受けやすくなるのです。
---摩擦---
服を脱ぎ着するときや、アクセサリーが擦れるところによくできます。
とくに皮膚が柔らかい部分にできやすく、首以外にもワキや胸、そけい部などにもよく作られます。
頻回な摩擦による刺激は、肌にダメージを与えやすく肌老化の原因にもなりがちです。
---加齢---
30代頃から症状があらわれやすくなり、ほとんどの場合で年齢を重ねるにつれて数が増えていきます。しかし体質によっては20代でも症状がでる人もいます。
年齢を重ねるにつれて肌の新陳代謝が乱れやすくなると、黒色色素のメラニンも排出されにくくなり、シミとして肌に留まってしまいます。
そして本来であれば、はがれ落ちるべき角質が肌に留まってしまうと、角質が厚くなることで、シミの部分が盛り上がったイボになってしまうのです。
紫外線や摩擦の影響を受け続けた肌は、まるで加齢によって肌が老化したような「肌老化」と呼ばれる状態になることもあります。
そうなると、肌の新陳代謝が低下してダメージを回復しにくくなり、さらに首イボが増える原因になってしまうかもしれません。
1⃣.髪の毛で縛ってイボをとる
昔から民間療法で知られている方法として、髪の毛でイボを縛るという方法です。ぴょこっとタイプのイボに向いています。
★やり方★
イボの根っこの部分(皮膚とくっついているところ)を髪の毛できつく縛るだけ。そのまま1週間ぐらい放置する。
日本人の髪の毛の太さは0.08㎜程。小さないぼを縛るのには細くて使いやすいと言えます。
2⃣.はさみで切る
1番確実にイボが取れる方法です。ぴょこっとタイプのイボに向いています。
★やり方★
イボの根っこの部分(皮膚とくっついているところ)をはさみで切除します。刃先が細くて薄いはさみが必要です。
注意点
1. 切除する深さ。深くなると傷が残ってしまうので、切っても血が出ないくらいの表面だけで切る必要があります。 2. 細菌感染を起こさないように、しっかり消毒(滅菌)された道具を使う必要があります。
3.自分で自らのイボを取ることは違法ではありません…でも、他人のイボを切るのは傷害罪になる事もあるので注意が必要です。
4. 深く切りすぎた時は当然出血します。止血の準備をして臨みましょう
3⃣.毎日ねじる
手軽な方法です。ぴょこっとタイプのイボに向いています。
★やり方★
毎日イボをねじると、いずれちぎれて取れます。いずれは取れますが保証できません。また、根元からしっかり取れなくて中途半端に残り、治療しづらくなる可能性があるため、注意が必要です。
1⃣.液体窒素による冷凍凝固術
保険診療での液体窒素での冷凍凝固による治療。
液体窒素療法とは、マイナス196℃の液体窒素を使用し、皮膚の細胞を凍らせ溶かす治療を繰り返す方法です。
超低温の液体を綿棒などに染み込ませ、ウイルスに侵されている患部を急激に凍らせ低温火傷させることで、ウイルスの発生源である皮膚の浅い部分の表皮細胞を破壊します。
大体の医療機関でも治療が可能ですが、治療後に「炎症後色素沈着」とよばれるシミができることが多いのがこの治療方法のデメリットです。
2⃣.「炭酸ガスレーザー」による治療
1つ1つのイボにレーザー照射を行い、イボを削る方法です。
自費診療を行っており、レーザーを設置しているクリニックで治療をお受けいただけます。
こちらのレーザーは、やや大きめのイボ治療に向いています。
イボや顔によくできる脂漏性角化症(老人性イボ)には、炭酸ガスレーザーでの治療が一番優れています。(顔によくできる脂漏性角化症は2㎜を超えるイボが多く、その場合はスキャニングができる炭酸ガスレーザーが1番治療に適しています)
レーザー治療の場合は、一般的に個数が多い場合には治療回数が多くなり、費用が高くなる傾向にあります。
他の治療よりも深く削れる可能性があり傷が残るケースもあるので注意が必要です。
3⃣ 医療用ハサミやメスによる切り取り
局所麻酔をし、イボの根元をメスで切り、傷を縫う簡単な手術です。形成外科ではよく行われている手術です。
首イボが気になる時には、症状を悪化させやすい生活習慣に注意しましょう。
すぐにできる首イボの対策・予防についてオススメの方法を紹介します。
---刺激を避ける---
ハイネック、襟付きの衣服、マフラーやネックレスといったアイテムは、着用することで肌にとって過度な刺激を与えてしまうかもしれません。
首イボが気になるときには、摩擦による刺激を避けるためにも、これらのアイテムを控えるとよいでしょう。
---紫外線対策---
紫外線による肌への悪影響を防ぐためにも、紫外線対策は大切です。
UVクリームは小まめに塗り直す、外出時には日傘や幅の広い帽子を利用するなど首にあたる紫外線をなるべく減らすように心がけましょう。
---小まめな保湿---
肌が乾燥していると、バリア機能の低下によって外部からの刺激を受けやすくなるため注意しましょう。
入浴後の体に水分が付着したままだと、肌が乾燥しやすくなります。
柔らかいタオルですぐに拭き取り、保湿クリームを塗るようにしましょう。
乾燥肌の症状が気になるときには、敏感肌用・乾燥肌用と記載された製品の利用もオススメです。
また秋から冬にかけては空気が乾燥しているため、肌から水分を奪われやすくなります。
室内であれば加湿器を利用するなど、いつも以上に保湿を心がけましょう。
---充分な睡眠---
睡眠不足が続くと肌の新陳代謝が低下して、首イボなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
なるべくまとまった睡眠時間を確保するように努めましょう。
肌の新陳代謝を促進しているのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きによるものです。
入眠してから3時間後に成長ホルモンの分泌量が多くなるため、このタイミングに熟眠できるよう、生活習慣を整えるとよいでしょう。
オススメの方法は、布団に入る2~3時間前に半身浴することです。
体温が下がりはじめると眠気を感じやすくなるため、入浴直後よりも時間が経過してからの方が熟眠しやすくなります。
日常生活における過ごし方を見なおして、首イボが作られにくい肌状態を目指しましょう。
いかがだったでしょうか?
意外と気になる首イボ。実は日々のケアで防ぐことが可能なんです。
皆さんも首イボに悩まない日々の生活を一緒に目指していきましょう!
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