夢健究会
これから妊活を考えている方、妊娠がわかった方、出産間近な方。と、その旦那さん。早く赤ちゃんに会いたいですよね。妊娠してからは今までの生活からガラリと変わり、一つの身体に二つの命が宿ることになります。気を付けることも増え、なにをしていけばいいかわからない!となる前に是非こちらを読んでくださいね。というわけで、今回は妊婦さん・パートナーさんに向けたお話を書かせていただきました。
お腹の赤ちゃんと妊婦さんの健康のために、妊娠中は適切な体重増加が必要です。
そのためには、バランスの良い食事をすることが大切です。
妊娠中の食生活のポイントを見ていきましょう。
①葉酸
妊娠初期に摂った方がいいものに、葉酸を含む食べ物があげられます。葉酸は細胞分解に必要な栄養素です。
葉酸を多く含む野菜(成分量100gあたり㎍)
・ブロッコリー…450
・えだまめ…260
・芽キャベツ…220
・ほうれん草…210
・さつまいも…57
妊娠前や妊娠中に積極的に摂取することで赤ちゃんの発達をサポートし、神経管の先天異常を起こすリスクを抑える効果が期待できます。
妊娠前から積極的に摂取するのが望ましいですが、妊娠が発覚してからでも良いので妊娠初期は推奨量を摂取するように心掛けましょう。
つわりなどで食事を摂れない場合は、サプリメントなどで葉酸を摂る方法もおすすめです。
・成人女性の葉酸の推奨摂取量…1日240㎍
・妊婦さんの葉酸の推奨摂取量…1日480㎍
②鉄分
また、妊娠中は貧血というトラブルが付きものです。
妊婦さんは妊娠中だけでなく産後も授乳によって貧血を起こしやすいので、妊娠中から貧血を改善する鉄分を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。
鉄分は単品だと吸収率が悪いので、ビタミンCと一緒に摂取するのがおすすめです。
特に摂取されにくい非ヘム鉄の食品はビタミンCを多く含む食品と一緒に調理して食べると吸収率がアップします。鉄分だけでなく葉酸やビタミンB12にも貧血を改善する効果が期待できます。
これらの栄養素は妊娠期間全体や産後も積極的に摂り入れた方が良いでしょう。
・妊娠初期の鉄分の推奨摂取量…1日9.0㎎
・妊娠中期~後期の推奨摂取量…1日16㎎
③カルシウム
赤ちゃんの骨などを作るために必要なカルシウム。
妊婦さんの食事で足りない場合、赤ちゃんは妊婦さんの骨からカルシウムを摂取して体の発育に利用します。その結果、妊婦さんの体はカルシウム不足になり骨がもろくなる「骨粗しょう症」のリスクが上昇してしまいます。
カルシウム不足は気持ちをイライラさせたり、こむら返りを引き起こしたりするマイナートラブルの原因でもあります。元々日本人は慢性的なカルシウム不足の人が多いので、
妊娠が分かったら特に意識してカルシウムを摂取しましょう。
・カルシウムの推奨摂取量…1日650㎎(上限2500㎎)
④食物繊維
妊娠中はホルモンの影響や、大きくなった子宮に腸が圧迫されて便秘になる妊婦さんも少なくありません。
食物繊維は便の量を増やして排便を促し、乳酸菌は腸内環境の改善効果が期待できます。
乳酸菌はオリゴ糖と一緒に摂ると、さらに便秘改善効果が期待できるでしょう。
・食物繊維の推奨摂取量…1日18g
普段何気なく食べているものの中には、妊婦さんや赤ちゃんに悪影響を与える可能性がある食べ物もあります。妊娠中は控えた方がいい食べ物を見ていきましょう。
①アルコール
本来赤ちゃんにとって有害なものは胎盤のフィルターで止められて送られないようになっているもの。
しかし、アルコールは胎盤のフィルターを通過して赤ちゃんに悪影響を与えてしまう可能性が高いため、妊娠中の飲酒は禁止されています。
赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、胎児性アルコール症候群や発達遅延、中枢神経障害、先天性疾患を発症する可能性が高くなります。
また、妊娠2週目までに過度なアルコール摂取があると自然流産の確率が上がるという研究結果もあります。
妊娠が分かった時点で禁酒し、授乳が終わるまではアルコールの摂取を控えましょう。
②リステリア菌を含んでいる可能性がある食べ物
リステリア菌とは食中毒を引き起こす細菌の一種です。非加熱のチーズなどの乳製品や食肉加工品などから検出されることがあります。
特に海外製のナチュラルチーズなどは非加熱でリステリア菌が増殖している場合があるので注意が必要です。
健康な成人ならリステリア菌が引き起こす食中毒を起こしても軽い胃腸炎や無症状で済むことが多いですが、妊娠中は赤ちゃんにまで悪影響を起こすケースもあります。
妊娠中は健康な成人と比べるとリステリア症になりやすいので、妊婦さんはリステリア菌を含んでいる可能性がある食べ物は控えましょう。
③トキソプラズマ(寄生虫)を含んでいる可能性がある食べ物
トキソプラズマは生の肉類などに見られる寄生虫です。妊婦さんがトキソプラズマに感染すると胎盤を経由して赤ちゃんにも感染し、先天性トキソプラズマ症になってしまう可能性があります。
先天性トキソプラズマ症は、未熟児、子宮内胎児発育不全、黄疸、肝脾腫、心筋炎、肺炎などを引き起こす怖い病気です。妊娠期間中は生の肉類を避け、しっかりと火を通して食べるようにしましょう。
④食中毒を引き起こしやすい食べ物
健康な状態でも大変な食中毒。
妊娠中は服用できる薬も限られている上、下痢や嘔吐で脱水症状になった場合に子宮収縮を起こす危険性もあります。
生魚から感染する腸炎ビブリオ菌や、牡蠣など生の二枚貝に多いノロウイルス、生の鶏肉や卵の殻などから感染するサルモネラ菌など、食中毒の危険がある生の食べ物は避けましょう。
お産に向けて、子宮や羊水、赤ちゃんの重量が増えるので体重が増えるのは自然な事。
体重増加を心配して食事量を減らすのは良くないです。ただし、過剰に増えると妊娠高血圧症候群のリスクを高めることもあるので、自分の適性増加体重知って適度に増やしましょう。
妊婦さんは睡眠も大切です。早寝早起きをして、規則正しい生活をすることは健康的な体をつくる基本です。自律神経を整えるためにも、朝は日の光を部屋に入れるようにしましょう。
睡眠中は全身の緊張がほどけてリラックスした状態になるので、胎内環境もよくなります。
そして適切な運動も健康増進につながります。
妊娠が確定すると多くの妊婦さんは、体を動かすことが流産につながるのではないかと不安に思うことでしょう。
しかし、日本産科婦人科学会も妊娠の適正な運動は健康増進につながり、適度な運動を継続するよう推奨しています。国内だけでなく、アメリカやカナダなどの産科婦人科関連学会も同様の推奨をしています。
妊娠中の激しい運動はもちろん厳禁ですが、適切な妊娠時期や運動量であれば胎児に影響を与えることはありません。むしろ体重管理や、妊娠中に起こりがちな便秘解消などさまざまなメリットがあります。
①冷え
体が冷えると、血管が収縮し、血液の循環が滞ります。
子宮や胎盤への血液の流れも悪くなります。真冬はとくに気温が下がり、体が冷えやすくなるので気を付けましょう。
②お腹の張り
原因は様々ですが、疲れたり、体が冷えたり、ストレスがかかったりして子宮の血流が悪くなると張りやすくなります。休んで30分~60分程度で治まれば問題ありませんが、治まらないときや張りを頻繁に感じるときは主治医に相談しましょう。
③タバコ
ニコチンなどの有害物質が赤ちゃんに届いてしまいますし、酸素の届きも悪くなります。
赤ちゃんに栄養を届ける胎盤の機能を低下させてしまうこともあります。
妊婦さん自身の喫煙はやめ、副流煙にも注意しましょう。
④妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群になると、子宮や胎盤の血流が悪くなり、胎児発育不全や胎盤早期剥離(たいばんそうきはくり)を引き起こすことがあります。
もともと肥満や高血圧の人はリスクが高まるので注意が必要です。
妊娠により起こる心身の変化は女性だけに起こるものだからこそ妊婦さんは孤立感を抱きやすくなります。必要なときにパートナーがサポートすれば、妊婦さんに安心感を与えることができるでしょう。
妊婦さん対して、パートナーがどのようなことができるか具体的に見ていきましょう。
①重いものを持つ
妊婦さんは、重い物を下から上に持ち上げたり、荷物を長時間持ち続けたりすることは厳禁です。妊婦さんの体に負担をかけないよう、買い物時に荷物を持ってあげたり、布団の上げ下げを代わってあげたりしましょう。
スーパーへの買い物に付き添いできないパートナーも多いので、週末を利用してまとめ買いをするのもおすすめです。
また、乾かす前の洗濯物は重たくなる場合もあるので、洗濯も進んで手伝ってあげると良いでしょう。
②家事を手伝う
共働きが増えている中でも、女性が中心となって家事を行う家庭も少なくありません。
日常の家事で行う動作の中には、お腹に負担をかける動作も多くあります。
お風呂掃除のように妊婦さんにとって大変な家事は、パートナーが率先して行いましょう。
妊娠後期は足元が見づらかったり、体のバランスを保ちにくかったりして転倒の危険もあるからです。
③マッサージをする
妊娠中は肩がこったり、腰が痛くなったりすることがあるので、マッサージをしてあげるのも良いでしょう。マッサージが強すぎると、お腹が張ることもあるので注意が必要です。
力を入れすぎずに、妊婦さんが気持ちいいと感じる程度に筋肉をほぐしましょう。妊婦さんにマッサージをするときは、安定期に入った後に主治医に確認してから行うようにしてください。
他にも妊娠中の体やホルモンバランスの変化は、妊婦さんの精神状態にも影響を与えます。
妊婦さんが落ち着いて過ごせるように、心のサポートも行いましょう。
・とにかく話を聞く
・コミュニケーションを大切にする
・女性が傷つく発言をしない
・お酒の話をしない
・上の子の面倒をみる
などなど…
いかがでしたか?
妊婦さんは心身ともにさまざまな変化があります。
赤ちゃんのためにもバランスの良い食事を心掛け、積極的に摂った方がいいもの、控えた方がいいものを理解し、適切な運動も大切です。
パートナーも妊婦さんをサポートし、協力して新しい家族を迎え入れましょう。
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