夢研究会

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気になる体臭・加齢臭ケア

 6月に入り、気温の上昇とジメジメとした蒸し暑さで汗をかき、身体のニオイも気になりますよね。また、年齢を重ねるにつれて汗臭さに加えて加齢臭が気になりだした、人から言われたなど多くいらっしゃるのではないでしょうか。自分はまだ大丈夫と思う方も他人事ではありません。今回は、気になる体臭の原因と自分では気づきにくい加齢臭の予防や対策をお伝えします。皆さまのお悩みにお役立ていただければ幸いです。

汗と汗腺の働き

 汗の原料は血液です。血液から赤血球などを取り除いた血漿(けっしょう)という液体から汗のもとが作られます。汗は、皮膚にある汗腺という器官から出てきます。皮膚に存在する汗腺は2種類で身体全体の皮膚表面に200万~500万個分布する「エクリン腺」とワキの下、下腹部、乳首など限られた箇所にある「アポクリン腺」があります。

 エクリン腺は、夏の暑い時期や運動をした時に出る汗で、体温調節を行う働きをしています。エクリン腺は成分の99%が水分で残りは塩分がほとんどです。そのため、無味無臭なのです。汗をなめると塩味がし、たくさん汗をかいた後に衣服に白い跡が残るのは塩分を含んでいるからです。

 アポクリン腺は、毛穴から汗が出ます。主に緊張した時や思春期の頃に見られます。汗は白く濁っていて、タンパク質などニオイのもととなる成分を含んでいますが、ニオイはほとんどありません。

体臭の原因

 ニオイの元となるアンモニアや乳酸、ミネラルなどは汗腺がろ過するため、通常ニオイはないのですが、時間が経過するにつれ、皮膚常在菌(皮膚には表面1㎠あたり20~30種類、数十万個の細菌が存在)が汗と皮脂腺からは2種類の皮脂(皮脂腺から出る皮脂と角質層の中にある皮脂)と混ざり増殖します。さらに大気中の酸素や過酸化物質が酸化することにより、ニオイが発生するのです。

 汗腺ろ過機能がうまく働いている汗は良い汗と言われ、水に近い成分ですが、ろ過機能がうまく働かず余分な成分を多く含む汗は濃度が高く、ねばねばしており、蒸発しにくい悪い汗と言われています。そのため、よりニオイがきつくなります。また、体内からミネラルが多く出ていくので、慢性疲労や熱中症の原因にもなりますので水分補給をして脱水を防いでいきましょう。

加齢臭について

 加齢臭とは多くの場合、男性特有のものと思われがちですが、女性も同様に発生します。男性の場合は、40歳以降、女性は更年期後の60歳以降に傾向が見られます。

 皮膚の潤いを保つ役割を持つ皮脂の中に、脂肪酸が酸化した過酸化脂質と皮脂が増加します。この2つが結合し、分解や酸化されると「ノネナール」とよばれる加齢臭のもととなるニオイ物質が生成されます。皮膚は、皮脂腺から分泌される脂です。皮脂から分泌された汗と混じり合って油膜をつくり、肌を守る重要な役割をしています。しかし、この皮脂にはさまざまな成分が含まれており、動物性脂肪を多く含む食品の摂取、偏った食生活、過剰なストレスや疲労、運動不足、喫煙、腸内環境の悪化、睡眠不足、皮膚や衣類に付着した細菌の増殖などが原因で皮脂が酸化され、ニオイの成分が分泌されることで加齢臭を発すると考えられています。特に動物性脂肪(肉や乳製品)やタンパク質を多く摂取するとニオイの元となるアンモニアやケトン体が体内で増えていきます。また、糖質(炭水化物)を摂取すると血糖値が上昇し、これを抑制するためにすい臓からインスリンが分泌されます。インスリンは皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌量を増やす働きのあるホルモンです。さらに、アルコールは毛細血管を拡張して皮脂腺を刺激するため、皮脂がさらに分泌されることになりますので飲み過ぎには注意しましょう。また、ストレスは過酸化物質をつくる活性酸素を増加させるので趣味やスポーツなどストレスを減らす工夫も大切です。

自分では気づきにくい加齢臭を確かめる方法

 同じニオイをずっと嗅いでいると鼻はそのニオイに慣れてしまいます。そこで自分の体臭を確かめるセルフチェックをご紹介します。

 1日着用した後の肌着やTシャツまたは就寝後の枕カバーをポリ袋に入れ、空気を入れて密封します。次に新鮮な空気で大きく深呼吸してご自身の嗅覚をリセットします。その後、ポリ袋を開けて中のニオイがご自身の体臭となります。

体臭対策

①運動をして汗を流す

 運動でかく汗はサラサラして蒸発しやすく、皮膚を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を抑えるのでニオイが発生しにくくなります。1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動を取り入れ適度な汗をかくことで、体内の血行が促進され、毛穴の機能が活発になるため、ニオイの原因となる皮脂や体内の老廃物を排出させることができます。

②発汗入浴

 1. 43℃前後の少し熱いお湯にひじ下とひざ下を10~15分程度浸けます。手足に多くある「休眠汗腺」を集中的に温め、汗腺を活性化させます。

 2. その次にお湯を足し、36℃前後のぬるま湯に10~15分程度、全身を浸かります。熱めの湯で高まった交感神経を鎮めます。

 3. 体温調節のために汗を自然に蒸発させます。その間に水分補給をすると良いでしょう。汗をかくことは代謝アップになります。

 気をつけることは、身体を強く洗いすぎないこと。皮脂の過剰分泌を促し、かえって体臭を悪化させます。頭皮やひじ、ワキ、ひざの裏、足の指の間など汗が溜まりやすい場所は丁寧にやさしく洗いましょう。

③抗酸化成分を含む食品を摂取する

 加齢臭の原因の一つである過酸化脂質は、活性酸素によって増加します。余分な悪玉コレステロールは、活性酸素によって酸化されることで、生活習慣病の引き金にもなります。抗酸化成分は体内で生じた活性酸素を打ち消す働きをする物質で、ビタミンC(アセロラ、パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツ)、ビタミンE(カボチャ、アボカド、ナッツ類)、ポリフェノールを多く含む緑茶、大豆、玉ねぎなど、また腸内環境を整えるために食物繊維や乳酸菌を積極的に摂ることを心がけましょう。

④衣類を清潔に保つ

 ニオイは衣類に付着しますので、消臭、防臭効果の高い洗剤や柔軟剤を使用することもお勧めです。特にニオイが移りやすいシャツの襟、頻繁に着ない衣類や寝具は付着した皮脂が酸化してニオイがひどくなる場合があるので、こまめに洗うことや衣類消臭スプレーなどで対策しましょう。

⑤制汗剤やデオドラント製品を使用する

 発汗を抑える制汗剤や細菌の繁殖を抑えてニオイをケアできるデオドラント製品が数多く市販されています。スプレー式やシート状、塗るタイプなどさまざまありますので、ご自身に合ったものを試してみてください。

⑥通気性が高く、速乾性のある肌着を着用する

 肌着を着用することで汗のニオイを抑え、体温を快適に保つことができます。特に通気性の高いレーヨン素材の衣類は汗を吸収しやすく消臭効果が高いといわれています。

 

まとめ

体臭にはストレス臭、加齢臭、ミドル脂臭、病気(糖尿病や肝機能低下など)によるものなど多岐に渡ります。暑い夏、涼しい部屋で快適に過ごす、運動を控えて汗をかかないことは逆効果です。ニオイの対策は身体を動かして汗をしっかりかいて体内の老廃物を排出することです。栄養バランスの摂れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスを軽減する工夫、入浴方法、腸内環境を整えるなど生活習慣、生活環境を見直し、日常的なケアを行うことで予防、改善に繋がります。