夢研究会

  • よもやま話

意外に知らないアレルギーのこと!

 最近すっかり春めいて、桜の花も一気に咲いてきましたね。
この季節になると『花粉によるアレルギー反応』でツライ思いをされている方も多いのではないでしょうか。
あと、季節に関係なく普段から気を付けなければならないのが食べ物による『食物アレルギー』です。
これは人によっては『命』に係わることなので悪ふざけで食べられない物を無理やり食べさせたりする事は絶対にしてはいけません。
そこで今回は食物アレルギーについて載せたいと思います。

こうやって起こるアレルギー反応

まず人間の体には免疫と言う仕組みが備わっており、ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入した際に体内では抗体が作られ、その異物と闘おうとします。

しかし、この免疫システムが、花粉や食べ物など体に無害な物質に対しても過敏に反応してしまい攻撃をし続けることを『アレルギー反応』と言います。

ようするに、本来体を守るはずの反応が逆に傷つけてしまう反応に変ってしまうのです。

なかでも食物アレルギーは特定の食物を摂取した際に、その食物が持つタンパク質が原因で、血中のIgE抗体(免疫グロブリンE)と言うタンパク質が反応し症状が出ます。

つまり、甲殻類アレルギーの人は甲殻類に反応するIgE抗体を、蕎麦アレルギーの人は蕎麦に反応するIgE抗体を持っていると言う事です。

ちなみに、肉類はタンパク質の塊ですが、『肉アレルギー』と言う人をほとんど聞いたことはありません。

これは、牛や豚、鳥や馬などの筋肉の構造が人間の筋肉の構造と似ているので、異物として認識されにくいからではないかと考えられています。

食物アレルギーにはどんなものがあるの?

食物アレルギーは鶏卵・乳・小麦が代表的でこの3つで全体の約62%を占めています。

中でも鶏卵は全体の約40%で圧倒的な数字を占めています。

他にも、甲殻類や果物類・蕎麦や魚類・落花生や大豆など、多くの食物アレルギーがあります。

食物アレルギーの症状として、いくつかのパターンがありますが、中でも一番多いのが食物摂取後2時間以内に症状が起こる『即時型食物アレルギー』です。

症状としては沢山のケースがあり、発熱や頭痛を起こすこともありますが一番多いのがじんましんや、それに伴う痒みで全体の80~90%の人が発症しています。

次に多いのが呼吸困難や咳、呼吸をする時にゼイゼイ、ヒューヒューと音を発する様な呼吸器症状が20~30%を占めています。

その次に多いのが粘膜症状で、まぶたや唇などが腫れる外表的症状と、気道の内側を腫らす気道粘膜症状があり、この2つを合わせて全体の20~30%となります。

外表的症状は死に至ることはありませんが、気道粘膜症状は最悪の場合、呼吸が出来ず窒息と言う状況になります。

次が腹痛、嘔吐や下痢になる消化器症状で10%ほどになります。

最後が7~10%の人に起こるショック症状で、ショックとは生死をさまよう状態の事を言います。

食物アレルギーを起こす人の7~10%がショック症状になるのですから、食物アレルギーは非常に重篤になりやすいと言えます。

大人になって初めて引き起こす食物アレルギーは花粉症が関係している?

子供の場合、食物アレルギーのほとんどが鶏卵・乳・小麦ですが、花粉症の大人が初めて食物アレルギーを引き起こす場合、果物や野菜で発症しているケースが多く、それには花粉症との関係が深く関わっていることが分かってきています。

では、なぜ花粉症と果物・野菜の食物アレルギーが関係しているのか?

それは花粉と果物・野菜に含まれる成分が似ているので体内の免疫細胞が花粉と勘違いをしてしまいアレルギー反応を起こしてしまうからだそうです。

食物アレルギーの対処法

基本的には食物アレルギーだと分かったら、それらを食べない事です。

花粉症が原因で食物アレルギーを引き起こしている人は普段からの食生活や生活習慣を見直し、花粉症自体を改善すれば食物アレルギーも改善される場合もあるそうです。

食べ物を加熱すれば症状が出なくなると思われがちですが、それはその食べ物にもよります。

加熱をすることによってアレルギーの原因となるアレルゲンが壊れやすい食べ物と壊れにくい食べ物があり、すべての食べ物が加熱をすれば安心と言う訳ではありません。

例えば、鶏卵アレルギーの人が生や半熟卵は食べられなくても加熱した卵は大丈夫、果物アレルギーの人がアップルパイやジャムは大丈夫、と言ったケースがあると思いますが、それらは加熱された事によりアレルゲンが破壊された事が要因です。

しかし、そのようなケースは一部の食品である事を十分に理解して注意しましょう。

また、アレルギー物質を口にした後、症状が出ないからと言って運動をする事は絶対にやめましょう。

まとめ

食物アレルギーには治療薬はありません。

鶏卵・乳・小麦は乳児の発症が多いとされていますが、そのほとんどが6歳までに食べられる様になるそうです。

逆に、6歳から成人期に何らかの食物アレルギーを発症した場合には治りにくいとされています。

発症したかもと思ったら直ちに専門医がいる病院に行き、適切な指導を受けましょう。