夢研究会

  • よもやま話

「聞こえずらい耳の原因と予防について」

皆さん、仕事や私生活で、会話や音が聞こえにくいと感じたことはありませんか?例えば、
・人との会話で聞き返すことが増えた。
・高い音や低い音が聞こえにくくなった。
・カ行やサ行、イチとヒチを聞き間違う。
・テレビや音楽などの音量が大きいと言われる。
こうした耳のトラブルは老化現象のせいだけではありません。聞く力の疲労、酸素不足、血流の悪化が原因となっています。今回は身近な耳の症状と予防についてお伝えしていきます。

・加齢に伴う聴力の変化

 加齢性難聴は高齢者になってから発症するものだと思っていませんか?「聞こえ」の老化は、20代から始まっているとも言われ、40代で聴力は徐々に低下すると言われています。加齢性難聴は個人差が大きいですが、一般的には50代になると小さい音や高い音が聞こえにくくなるようです。

 加齢性難聴は感音難聴に分類され、音の伝わる経路全体の働きが悪くなることで起こります。音を感じるセンサーは、中耳にあるカタツムリのよう形をした「蝸牛(かぎゅう)細胞」の中にある「有毛細胞」です。この有毛細胞が、年齢を重ねるにつれて折れたり曲がったりすることが、加齢性難聴の原因の1つとして考えられています。有毛細胞は高い音を感じる順に蝸牛の入り口から並んでいるため、加齢性難聴は高い音から聞き取りにくくなります。音の高さは、周波数で示しHz(ヘルツ)という単位を使い、数字が大きければ大きいほど高い音になります。子どもが聴くことができる周波数は20Hzから20,000Hzまで、成人になると16,000Hzまで、高齢者になると5,000Hzまで低下します。若い人にしか聞こえない「蚊の羽音」をご存じでしょうか?ブーンと蚊が飛んでいるような高い音は成人のほとんどが、18,000Hzの蚊の羽音は聞こえないと言われています。

 

・突発性難聴

 突発性難聴は、突然、左右どちらか一方の耳が聞こえが悪くなる病気を言います。特に20~50代で多くみられます。突発性難聴は、全く聞こえなくなることは少なく、耳が塞がったように感じたり、音が小さく聞こえるといった症状が現れます。症状が起こった日がはっきりと分かるほど、突然に起こるのが特徴です。

 突発性難聴の原因は、内耳の血流障害やウイルス感染、疲労やストレスなどが考えられますが、医学では、はっきりとしていません。突発性難聴は、症状が現れたらすぐに病院で治療を開始することが大切です。できれば1週間以内、遅くても2週間以内に治療を開始すれば、ほとんどの人が完治します。

・音響外傷

 騒音など大きな音による影響で起こる「音響外傷」があります。音響外傷は主に、「急性音響外傷」と「慢性音響外傷」に分けられます。コンサートなどで大音量を聞いたことで難聴の症状が出るのが、急性音響外傷です。これも突発性難聴と同様に神経の傷害なので、1週間以内、遅くても2週間以内に治療をすることが大切です。一方で今、急激に増えているのが、ヘッドホンやイヤホンによる慢性音響外傷です。毎日のようにヘッドホンやイヤホンで大音量で長時間聴くことで、徐々に聞こえなくなるなどの症状が出てきています。スマートフォンの普及で激増したともいわれています。慢性音響外傷は残念ながら治すことができないため、音楽を聴く時は、音量や時間に注意しましょう。

「聴力を保つ予防」

 耳が遠くならないためには、耳の血流障害を防ぐことが重要です。その予防法として、

①不必要な大音量でテレビや音楽を聴くことは控えましょう。

 大きな音に聞き慣れてしまうと小さな音が耳に入らなくなってしまいます。

②塩分、コレステロールを控えた食事

 血流障害は高血圧、高コレステロールで起こりやすくなります。バランスの良い食事を心がけましょう。

③適度な有酸素運動

 1日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動は血流の促進に繋がります。

④禁煙

 喫煙することで血管が収縮し血流を悪くします。禁煙しましょう。

⑤イヤホンではなくヘッドホンを使う

 イヤホンをつけ大きな音を流していると音を聞き取る有毛細胞が徐々に壊れていきます。どうしても使用する場合は、耳への刺激が少ないヘッドホンの着用がおすすめです。

⑥耳を両手で塞ぎ、深呼吸をする。たったこれだけですが、複数の効果があります。

・聞く力をリフレッシュ

・作業などの効率を高める

・身体の疲労を和らげる。 

  10秒で良いので、時間を見つけてやってみましょう。

・耳に良い食事

1.亜鉛

 亜鉛が不足すると聴力に影響があると言われています。

 亜鉛を多く含む食材は、牡蠣、あさりなどの貝類、牛肉、豚肉などがあります。

2.葉酸

 耳鳴りは耳付近の血流の悪化が原因で起こる場合があり、葉酸を積極的に摂ることで血流の改善にも繋がります。

 葉酸を含む食材は、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草など色の濃い葉物野菜や枝豆、干し椎茸、海苔などの海藻類などです。

 東洋医学で耳のトラブルは「腸の不調」とも言われています。腸にやさしい食べ物も意識すると良いでしょう。

・まとめ

 年齢を重ねて聞こえづらさを感じるのは仕方ないと諦めてしまう人も多いと思います。実は聞こえづらさを感じた時にどのように対策するかで、その後の聞こえ方が変わっていきます。また、聞こえづらさを感じていなくても体内の血流が促進され、規則正しい生活習慣を送れれば難聴を予防することもできるのです。普段から意識し、予防することはとても大切なことです。もし、耳に異変を感じた時はすぐに医療機関で受診するようにしましょう。