- よもやま話
現在、子どもから高齢者まで幅広い世代の必須アイテムとして普及しているスマホ。個人におけるスマホの保有率は約90%となり、多くの方が日常的に使用しています。活用方法には限りがなく、どんなことでもできてしまう便利なものです。現代社会においてスマホは必要不可欠なアイテムとなっていますが、過度な使用は病気のリスクを高める危険性があります。
近年では50代以下の方を中心に、スマホ認知症が増えてきているのが現状です。スマホの使い過ぎと心当たりがある方は、ぜひこの記事をご覧になっていただきたいです。
スマホ認知症とは、スマホへの依存から発症する認知症のことです。
スマホなどの通信機器やAIなどの発達により、必要以上の情報「今起きている」ことをいち早く把握する手段となったスマホは、何か問題がある時には瞬時に解決へと導いてくれるとても便利なものとなり、多くの方が毎日使用しています。ですが、その便利さを引き換えに、過剰な情報量や正誤判断の必要性など、脳に大きな負担をもたらすマイナス面も持っています。場所を選ぶことなく、時間があれば何時間でも情報を得ることができる。ちょっとした時間(信号待ち・電車待ち・待ち合わせ時・食事中・寝る前など)のスキマ時間に使用することができ、依存しやすく、1日の多くの時間をスマホに費やしている人は多分少なくありません。
スマホの使用時間が長いということは依存度が高く、使用時間が長ければ長いほど、脳の負担は大きくなります。脳への負担が増えることで、記憶する・思い出す機能が低下し「スマホ認知症」の原因となります。
スマホ認知症は年齢にかかわらず、誰もがなりうる可能性がある依存症で、生活の必需品となったスマホとの“付き合い方”をしっかりと見直すことが必要です。
スマホ認知症は、スマホの使い過ぎによる脳へのダメージが原因となり、アルツハイマー認知症のような症状が特徴です。症状は一時的なもので使い方を変えるだけで回復するケースがほとんどですが、若年性認知症となるリスクもありますので注意が必要です。
・コミュニケーション能力の低下
・記憶力の低下
・集中力の低下
・注意力の低下
・想像力の低下
・言語障害
・企画力が低下
・生活意欲の低下
・体調不良・情緒不安定
一般的な認知症とスマホ認知症は違い、周りの方々が気づいてくれるということはなく、自身で自覚症状がないまま症状が進行してしまいます。これが「スマホ認知症?」と気づくのが難しい一面もあります。自身で意識的にスマホの使用頻度を確認し、向き合っていくことが予防と改善となります。
スマホ認知症は、スマホからの過剰な情報収集が原因です。脳の前頭前野が処理できないほどの情報が、毎日のように入ってくることで、脳の容量がパンクしてしまい、機能が停止することにより引き起こるのです。
毎日のように習慣化されてしまった、何気なしに見ているネット記事、S N S、動画、仕事やプライベートの連絡などは、意識しなくても、勝手に脳が処理してくれています。無意識に閲覧しているものは、一つ一つの情報量は小さくても、それが蓄積と累積で、脳が得た情報を処理しきれなくなります。
処理しきれない状態となることで、脳が過労状態に陥り、情報を処理できず、上記のようなスマホ認知症の症状が段々と現れてくるのです。
下記の記載が全てではありませんが、当てはまる項目が多ければ多いほど、スマホ認知症へ確実に近づいています。
□物忘れが増えてきた
□やる気がない
□話したい言葉が出てこない
□カラダの疲れがいつも取れない
□就寝前、起床後、長時間スマホを見る
□気分に大きな波がある
□以前に比べて集中力がないと感じる
□物事の段取りを組むのがうまくいかなくなった
□空き時間があるといつもスマホを使っている
□家族、恋人といる時間もスマホをずっと使用している
□いざという時に漢字が書けない・出てこない
該当するものが多い方は、今すぐにでもスマホの使い方を見直しましょう。
スマホを普段からほとんど使用しないという方にはスマホ認知症になる可能性はほぼないに等しいですが、スマホを日常的に使い続けている方であれば、誰でも起こり得る症状です。今からスマホを全く使わないということは難しいですが、使う頻度を減らすことはできるはずです。スマホ認知症にならないためにも、カラダのことを大切に思いやって、まずはできることから始めましょう。
スマホを使わない時間、自身のルールを明確に決める
お風呂、トイレ、就寝前の時間や起床後の時間はスマホを触らない時間を作りましょう。スマホ認知症にならないためにも脳に休息を与えることはとても大切です。また歩行中や自転車の運転中にスマートフォンを触るのは危険ですのでやめましょう。
スマホの使用状況・使用時間は、スマホで確認することができます。自身がどれだけスマホを使用しているかを確認し、使いすぎているアプリ(S N S、ゲーム、動画など)をチェックしてみてください。長時間の使用は目にも負担がかかりますので、なるべく控えましょう。
できるだけスマホを使わず、脳がリフレッシュする時間を作りましょう。
スマホの便利な機能に頼りすぎない
瞬時に起こる疑問などはスマホで検索するという方がほとんどだと思います。何かあればスマホではなく、頭で考えることが減ってしまうことで脳の機能が低下してしまい、スマホ認知症になるリスクが高まってしまいます。
日常で起こる様々な疑問に対し、本や辞書で調べる、人に尋ねてみるなど、スマホを使わずに解決できるようにまずは心がけてみましょう。何でもかんでもスマホではなく、人に聞くことも大切ですし、コミュニケーションの一環です。
コミュニケーションの場を増やす
コミュニケーションはスマホのメッセージ機能を使えば、直接会わなくても会話することはできます。しかし、人と会って会話することで脳の活性化を促し、スマホ認知症を予防することができます。便利な機能ですが、コミュニケーションはとても大切です。コロナ禍からも回復したわけですから、ぜひ人と会って直接会話する時間を作ってみてください。
デジタルデトックスを行う
デジタルデトックスとは、スマホなどの機器から一定時間触れる事を避け、ストレスを軽減したりします。また、この間に誰かと会話をする、自然と触れ合うなどすることで、日常生活で忘れかけていた五感を取り戻しましょう。無理ない程度に始めることが大切です。
どこか旅行に行った際や、休日の日に「今日はスマホを使わない!」なんて日があってもいいのかもしれません。スマホがなくても私たちは本来、生活していくことができていたわけですから、元の生活に全てを戻すことは難しいですが、「使い方」は個人でしっかりと決めながらうまく使い分けをしていきましょう!
認知症は知っているが、スマホが原因となる「スマホ認知症」があるということは、多くの方が認知してなかったことではないでしょうか。スマホ認知症は、アルツハイマー認知症と類似した症状が出ます。脳に情報を入れすぎることは良くありません。スマホとの距離感はとても大切です。今からでも遅くありません。スマホの使い方、見直してみませんか?スマホから離れて脳を休める時間を作ることを心がけてみてください。