夢研究会

  • よもやま話

カラダの隅々まで栄養素や老廃物を運ぶ私たちに大切な働きをするものとは?

私たちのカラダは臓器や筋肉、ホルモンなど生きるために様々な器官が機能し、毎日のように動き続けています。意識的に動かすものや無意識のうちに動くものなど、働き方はそれぞれ違いとても複雑です。そんな各々違う働きをしている中の「血液と血管」について今回はご紹介していきます。

血液と血管【血管は地球2周半分の長さ?】

 私たちのカラダに流れる血液は体重の約8%です。体重60㎏の人であれば、約5ℓの血液が全身に流れています。「血液」とは私たち人間にとって、命をつなぐために必要な酸素や栄養素を運ぶために大切で重要な役割を担っています。血液の主な役割として、『酸素や二酸化炭素の運搬』『止血などの生体防御や細菌の除去』『体温調整、体内環境の維持』をしています。

 この血液の通り道となるのが「血管」です。そして「血管」は、役割や部位によって、動脈、静脈、毛細血管の3つに分類されます。動脈は酸素や栄養を含んだ血液を全身に送り出す働きをしています。一方で、全身を巡り老廃物や二酸化炭素などを回収して血液が、心臓まで戻るのに通るのが静脈です。動脈から細く分かれ、体中に張り巡らされている細い血管を毛細血管と言います。そんな血管の99%は毛細血管で、また毛細血管の大きさは直径5〜20μmです。(ちなみに㎜で表すと0,005㎜~0,02㎜の小さな管が体中にあるということです)

 とても小さな毛細血管が体中の隅々まで酸素や栄養を運び、老廃物を回収して静脈に戻しています。これらの役割を担っている血管をすべてつなぎ合わせると成人の場合、約10万キロもあり、地球を約2周半するのと同じぐらいの長さになります。全身のどこにでも血管が張り巡らされているということです。

 心臓から出た血液がこれらの血管を巡り、再び心臓へ戻ってくるのにかかる時間はたった30秒と言われています。無意識のうちに血液がカラダの隅々まで勢いよく駆け巡っているということです。

血漿と血球【血液の構成成分って何?】

 私たちのカラダに必要な酸素やホルモンを運ぶのに大切な役割をしているのが、体内に流れている「血液」です。血液と抗凝固剤を試験管に入れしばらく放置すると2つの層に分かれます。上の層に浮かんでくる液体が「血漿」となり、栄養分を各組織に運び、組織呼吸の結果、炭酸ガスや老廃物などを排出したりする働きなどがあります。また下の層に沈殿してくるのが「血球」となり、赤血球、白血球、血小板からなり、体内で循環している時は血漿約55%、血球約45%です。この血漿と血球は、どちらも私たちの生命を維持するために大切な役割を果たしているのです。

 血漿と血球について《性質》と《働き》について

~血漿~

《性質》約90%は水分となり、固形成分は約10%です。固形成分の主なものとして血液凝固因子、グロブリン、アルブミンなどのタンパク質となります。この他に、無機塩類、糖質、脂質を含みます。

《働き》組織呼吸の結果できた炭酸ガスを肺へ運び、空気中へ放出します。栄養成分を体内の各組織へ運び、そこで生じた代謝老廃物を腎臓から排出したり、血圧の保持に役立てたりしています。

~赤血球~

《性質》成人では血液1μlに男性で約500万個、女性で約450万個、幼児で約690万個です。寿命は、骨髄で作られ、脾臓で壊されるまでの約120日です。

《働き》赤血球の中にあるヘモグロビンは、肺で酸素を取り込み、体の各部へ運搬していきます。

~血小板~

《性質》血液1μlに約14~36万個です。大きさは直径約2~3μmで円盤状です。

《働き》血管の損傷部位に血栓をつくり、止血する作用があります。

~白血球~

《性質》成人では血液1μlに平均7,500個です。顆粒球、単球及びリンパ球からなり、前者二つは骨髄で、後者は主としてリンパ組織で産生されています。

《働き》顆粒球は細菌、その他の異物が侵入した時、貪食作用によりこれを捕らえて、殺菌・消化・溶解させるなど、生体の防衛機構=免疫に関係しているのです。他にも、毒素の中和やアレルギー反応にも関係するといわれています。単球はマクロファージに変化し、旺盛な貪食能で老廃物や異物を処理するといわれて、リンパ球は免疫と抗体産生に関係しています。

年齢とともに血管は老いる【知らないうちに動脈硬化…?】

 日本における3大死因は1.がん。2.心疾患。3.老衰となっています。また介護をする主な原因として、脳血管疾患が関与しているのが現状です。上記のほとんどが生活習慣と関りがあり、特に心疾患と脳血管疾患については、「血管の老化」つまり「動脈硬化」の影響によって起こる病気なのです。健康な人の血管は、柔軟性や収縮性があり、若々しい血管です。ですが年齢とともに血管も老いていき、柔軟性や収縮性は衰え、血管全体が硬くなり内腔が狭くなった状態が「動脈硬化」です。動脈硬化にはいくつかの種類があります。

 大動脈など太い動脈に粥腫(じゅくしゅ)ができるのが、粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)です。これは動脈の内膜に血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)などが沈着し、ドロドロの粥状物質(プラーク)となり、血管が狭くなってしまい狭心症が起こります。また、柔らかいプラークが破綻したところに血栓ができると、血管が詰まり心臓への負担がかかるため、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こしてしまいます。主に脳や腎臓の中の細い動脈が硬化することを細動脈硬化と呼びます。加齢や高血圧が原因で起こり、進行すると血管が破裂して脳出血に至る恐れもあるのです。他にも、動脈の中膜にカルシウムがたまって硬くなる中膜硬化(メンケルベルグ型硬化)があります。

 動脈硬化は、「喫煙」・「コレステロール」・「高血圧」・「肥満」・「運動不足」などの危険因子が重なることによって発症しやすくなります。日々の生活習慣を見直すことが動脈硬化を防ぐことにつながりますので、早めの行動がカラダのためです。

健康なカラダは血液から!【キレイな血はカラダを元気にする】

 血液の状態がドロドロだとカラダの隅々まで栄養素、酸素などがうまく運ぶことができません。血液がドロドロになる主な原因の一つとして、食べ過ぎや飲み過ぎにより、血中の糖質や脂質が増えてしまうことが挙げられます。ドロドロの血液状態が続くことは、様々な病気の原因につながります。様々な病気にならないように、やはり血液の状態はサラサラでスムーズなのがより健康的です。サラサラな血液の状態を維持するためには日頃から意識的に何かしらの工夫が必要です。

 バランスの良い食事を心掛けたり、定期的な運動習慣を取り入れたり、日々の生活の中にあらゆる方法があるかと思います。インターネットなどで検索すればたくさんの健康法が今は簡単に知ることができます。ご自身に合ったやり方で“継続できること”が重要です。三日坊主という言葉がありますが、いい健康法を見つけても続かなければ何の意味もありません。無理なく続けられることを少しずつ始めることがより効果的ですので、できることから始めることが健康を手にする第一歩です。

 ぜひ楽しみながらやってみてください。

まとめ

 誰もがいつまでも若々しく、元気で健康な生活を送りたいものです。健康を心掛けている方もいれば、少し疎かになっている方もおられるかと思います。まずはできることから始めましょう!!血液の質は目に見えませんが、日頃どんな生活習慣をしているかはご自身がよくお分かりになるかと思いますので、思い当たるところがあるならばそこは改善することをお勧めいたします。健康はご自身の手に入れましょう!!